だけど。
陸くんが教えてくれた。
恋する気持ちも。
それに伴う嬉しさや苦しさ。
切ない気持ち。
「推し」という尊い存在として。
私に青春を与えてくれた。
曲の間奏に入った。
「陸くん、好きです」
思わず、マイクを通して言っていた。
「好きで、好きで、大好きだから!」
あきらちゃんが頷いている。
「だから……、お願いだから」
私の声はだんだん小さくなっていく。
「結婚を心からお祝い出来なくても、許してください……」
呟いた。
でもマイクを通しているから、部屋中に響く。
私の情けない、本音。
間奏が終わり、歌詞が画面に現れても、歌えなかった。