曲が終わる。
私は心の底から叫んだ。
「陸くん!私というファンの前に現れてくれて、本当にありがとう!!!」
そうだ。
深森陸という存在を知れたことを、私は心から感謝している。
「ありがとうー!!」
何故かあきらちゃんも絶叫している。
ぽかんとした表情であきらちゃんを見ていると、
「ほら!次の曲を歌ってよ!みのりちゃん!」
なんて言って、あきらちゃんは笑っていた。
最高かよ。
私の友達。
次に歌う曲を選び、テレビ画面にはその曲名である、『手のひらに君の声』という文字が映される。
あきらちゃんが、
「この曲、私も好きー!」
と両手を上げて、万歳した。