陸くんへの愛を叫ぶ?
「待って、あきらちゃん。私、その、今、本当はこの世界の終わりまで来ている気分なの」
「そうだろうね」
「陸くんは青春の全てだから。その青春を奪われた気分なの」
「うん、分かるよ」
「いや、だから。そんな気分の時にカラオケで推しへの愛を叫ぶって感じでは、ない、かなぁ?」
やんわり断ったつもりだったけれど、あきらちゃんは折れなかった。
「今こそだよ!今こそ、推しへの愛を叫ぶの!」
「えーっ?」
「それでスッキリしたらいいんだよ。みのりちゃんはひとりで溜め込みすぎなの。発散してほしいの」
「……」
そして。
それから約一時間後。
私はあきらちゃんと、カラオケ店に入店した。