「おじいちゃん、いる?」
「おぉ孫か、わしに何か用じゃったか?」
「用じゃないんだけど……何となく会いたくなっちゃって」
「おぉーそうであったか! 今お菓子を持ってきてやろう。どっこいしょ……」
ここに来ると、両親の実家に帰ってきた孫のような気分になる。それは彼が繰り出す雰囲気が大いに関係しているのだと分かる。
彼の名は『隠者』の正位置。カード番号は9で、見た目もそうだがかなりの初老である。主な意味は『導き・助け合い・真実に目を向ける』で、人柄の良いおじいちゃんだ。
「おじいちゃん、何か手伝おうか?」
「構わん構わん、座っておれ! ほれ、この菓子がお茶とよく合うんじゃよ♪」
「ありがとうおじいちゃん。ほんとだ、確かにお茶と合うね!」
「ほっほっほ……流石はわしの孫じゃ、この良さが分かるとはのぅ! 大半の者はお茶など嗜まぬからのぅ……この隠された良さになかなか気付かず損をしておるのじゃ」
「確かにそうかもしれないね。普段見えないところには、意外といいものがあったりするからね。そう考えると、私何も見えていないのかもしれない……いつもおじいちゃんに教えてもらってばっかりだし、まだまだだなぁ」
隠者は陰から光を照らし、見えていない道を示す案内人のような存在だ。誰よりも多くの道を知り、その進み方や回避方法を知る。
ただ、すぐに手を貸さず窮地に至った時にのみ現れ、導き、再度離れていく。あくまでも案内人としての務めを果たすだけの、心強い味方だ。
「良い良い、孫よ。そなたは他者の言葉に耳を傾けておる、傾けることが出来るだけでも充分じゃ。
じゃがな、全ての言葉を鵜呑みにしてはならぬぞ。言葉はまやかしに過ぎぬ、真実を言葉で語れるとは思わぬほうが良い」
「分かった……肝に銘じておく」
「ほっほっほ……良い子じゃ。ほれ、暗い話はおしまいじゃ! 今はこの時間を楽しもうぞ」
誰よりも深い闇を知る案内人の目は、暖かい光が灯っていた。
「おぉ孫か、わしに何か用じゃったか?」
「用じゃないんだけど……何となく会いたくなっちゃって」
「おぉーそうであったか! 今お菓子を持ってきてやろう。どっこいしょ……」
ここに来ると、両親の実家に帰ってきた孫のような気分になる。それは彼が繰り出す雰囲気が大いに関係しているのだと分かる。
彼の名は『隠者』の正位置。カード番号は9で、見た目もそうだがかなりの初老である。主な意味は『導き・助け合い・真実に目を向ける』で、人柄の良いおじいちゃんだ。
「おじいちゃん、何か手伝おうか?」
「構わん構わん、座っておれ! ほれ、この菓子がお茶とよく合うんじゃよ♪」
「ありがとうおじいちゃん。ほんとだ、確かにお茶と合うね!」
「ほっほっほ……流石はわしの孫じゃ、この良さが分かるとはのぅ! 大半の者はお茶など嗜まぬからのぅ……この隠された良さになかなか気付かず損をしておるのじゃ」
「確かにそうかもしれないね。普段見えないところには、意外といいものがあったりするからね。そう考えると、私何も見えていないのかもしれない……いつもおじいちゃんに教えてもらってばっかりだし、まだまだだなぁ」
隠者は陰から光を照らし、見えていない道を示す案内人のような存在だ。誰よりも多くの道を知り、その進み方や回避方法を知る。
ただ、すぐに手を貸さず窮地に至った時にのみ現れ、導き、再度離れていく。あくまでも案内人としての務めを果たすだけの、心強い味方だ。
「良い良い、孫よ。そなたは他者の言葉に耳を傾けておる、傾けることが出来るだけでも充分じゃ。
じゃがな、全ての言葉を鵜呑みにしてはならぬぞ。言葉はまやかしに過ぎぬ、真実を言葉で語れるとは思わぬほうが良い」
「分かった……肝に銘じておく」
「ほっほっほ……良い子じゃ。ほれ、暗い話はおしまいじゃ! 今はこの時間を楽しもうぞ」
誰よりも深い闇を知る案内人の目は、暖かい光が灯っていた。