総合病院の広場

悲しみと辛さに暮れている避難民達。
未夢のラジオには首都機能移転の事について、報道されていた。

キャスター「国内史上最多の死者、行方不明者を出した
      前代未聞となる令和関東・東海大震災ですが、
      日本の首都中枢機能を損失する以上の
      重大な被害をもたらしており
      日本は今後、国家非常事態になる見込みです。
      尚、復興や今後の日本の首都については
      全国知事会議や日本をはじめ、ロシア、イタリア
      アメリカ・イギリス ・フランス・中国等と共に
      国際会議が近々開かれる模様です。」

その報道を聴いた遼真達は落ち込みながらこう呟いた。

遼真「こんな生活いつまで続くんだろう・・・
   パパやママやクラスのみんなはどうしてるかな?」
掛「もうどうしようもならねぇよ。
  東京は壊滅してしまってもうボロボロだ。」
木村「政府と知事と自治体の力だけじゃ
   東京都の復興はほぼ無理だな・・・。」

しかし、その時・・・

遥「そんなの・・・」
遼真・掛・木村「え?」

遥はそれを強気に否定した。

遥「そんなの・・・!絶対あり得ないよ‼」

遼真「お姉ちゃん・・・」
掛「遥・・・」

遥は涙ながらに皆にこう伝えた。

遥「私達は日本の首都・東京で生まれたんだよ・・・。
  東京が壊滅しちゃったら・・・。」

遥の場所に皆が集まる。

遥「もう日本はおしまいなんだよ!」

サングラスの若者が遥にこう伝えた。

若者「何だよおしまいって、首都を移せばいいだけの話だろ?」

しかし、遥は首都移転を拒んだ。

遥「首都が移るのだけは絶対嫌だ・・・!
  私達は日本の中枢で生まれてきたんだよ・・・。
  東京は日本の中心地・・・
  それが日本の首都だから・・・!」

遥は首都機能移転を許せなかった。
すると、老人が腹を立ててこう発言した。

老人「生意気言う奴が馬鹿なことを言うな‼何もわからんくせに‼」

だが、その言葉を全く信じない遥は怒号して暴言を吐いた。

遥「何だよ‼わかんないから皆に言ってるんだよ‼
  こんなの私達の日本じゃないんだ‼」

激昂した遥は逃げるように病院の広場を走り去ったが
遼真が遥を追いかけようとしていた。

遼真「お姉ちゃん、待って‼」

しかし、担任の木村に制止されてしまった。

木村「遼真、よせ!」

そして、遥の姿はそれっきり見えなくなってしまった。

遼真「あぁ・・・。」