都内の某総合病院

集中治療室に隔離されて治療を受ける未夢。

ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・

その待合室のベンチには、遥と遼真と掛と木村が座っていた。
その中で、遥は涙をこぼしてすすり泣きながら呟いた。

遥「未夢さんがはぐれなかったら・・・ぐすっ
  こんな事には・・・ならなかったのに・・・ぐすっ‼」

すると看護婦が遥達の所へ来てこう伝えた。

看護婦「皆さん、大丈夫です!
    未夢さんの治療を必ず成功させてみせますから‼」

遼真は強気にこう告げた。

遼真「分かってるよ。未夢姉ちゃんは死なないよ!
   パパやママがいなくたって、
   僕にはお姉ちゃんと木村先生と掛兄ちゃんがいるんだから!
   大丈夫だ、絶対大丈夫‼」
掛「ここで待ってても仕方ない!とりあえずロビーに行こう!」
木村「ああ、そうだな。」

そして、遥達が病院のロビーに行ってみると

遥「あっ・・・こ、これは⁉」

そこには消防隊員や医師、ケガ人や病人、避難民が大勢いた。 

掛「この病院には患者が溢れかえっているんだ!
  つまり、ちょっと前までのコロナ禍と同じ状況さ。
  その中には未夢と同じように
  富士山の噴火による健康被害を受けてる人も
  たくさんいるんだ!」
遼真「未夢姉ちゃんだけじゃなかったんだ‼」
遥「まさか、あんなことになるなんて・・・」

ポイント⑫ この様な震災が発生すると、患者が大幅に増加し
      伝染病や疫病の流行と同じように医療が崩壊しかねなくなる。

そこへ、遥が通う巣鴨中学校の教師の堀田文子(ほったふみこ)先生がやってきた。

堀田「あなたは2年1組の平井 遥さんですよね。」
遥「あっ!堀田先生!」
堀田「手芸部の顧問の先生なんですか
   ちょっとこちらに来てもらえませんか?」
遥「顧問ですか?」

そして、遥は堀田先生の言う通り、とある場所に案内された。

遼真「こ、ここって?」
掛「遺体安置所じゃないか!」

遥達が案内されたのは、病院内の特設された遺体安置所だった。

木村「気味が悪りぃな。震災による犠牲者がここで眠ってるとはな・・・。」

すると、堀田先生が遥達にある遺体を紹介した。

堀田「こちらです。手芸部の顧問の細川奏子(ほそかわかなこ)先生です。
   今回の巨大地震で犠牲になられたらしいです。」

そして遥は・・・

遥「あ・・・あぁ・・・」

泣きながら絶望してしまった。

遥「細川先生‼どうして死んじゃったの⁉
  ぐすっ・・・何でぇ・・・、何で死んじゃったの⁉
  ねぇ、細川先生‼」

遥は顧問の死を受け入れることができず、その場でオイオイ泣き崩れてしまった。