歌舞伎座内部

暗い劇場内にライトを照らし本舞台いる遥達。
少女は遥傷の右足を消毒し、その傷に絆創膏を貼って手当てをした。

少女「はい、これでもう大丈夫ですよ。」
遥「はぁ・・・はぁ・・・ありがとう・・・。死ぬかと思ったよぉ・・・。」

遥は安心したせいか、疲れ果てていた。

木村「君は本当に天才だよな。」
頼子「はい!あの私、高輪医療大学教授の娘の泉頼子(いずみよりこ)です。
   高校1年生です。これから日比谷公園の避難所に戻る所でした。
   私のお父さんは今、避難所の医務係をしているので。」
掛「なるほど、お前は賢いんだな!大学教授の娘だなんて凄いもんだな。」
遼真「お姉ちゃん、まだ興奮が収まらないね。
   未夢姉ちゃん、お水あるかな?」
未夢「あぁ、水なら避難所から補充して冷やしてあるさ!」

未夢は心に傷を負ったままである遥に水を差し出した。

未夢「遥、ほら、冷たい水だ。これ飲んで、心癒せよ!」

遥はペットボトルの水を飲んだ。

遥「はぁ・・・ありがとう。少し心も落ち着いてきた。」
頼子「良かったですね。あなた達は何をしてたんですか?」
掛「俺達は、さっきのデパートで
  いろいろ補充するために探索してたんだ。」
頼子「なるほど、これは大変でしたね。」

遼真が懐中電灯で歌舞伎座内部を見回していると

遼真「歌舞伎座の中ってとても凄いなぁ~!
   あそこからはお客さんもいっぱい来てそうで
   なんだか僕達、ステージにいるみたいだよ!」
頼子「ええ、私達がいるのは本舞台にいるんです。
   本来なら歌舞伎役者さんが演劇をされております!」
未夢「まぁ、電気も止まってるから暗くて見えにくいけどな。」
木村「あぁ、歌舞伎か!復興が終わったら、
   またここで歌舞伎ができるようになるんだな!」
頼子「はい!そうですよね。それではここを出て、
   避難所に戻りましょうか。」
遥達「ハイ!」

しかし、ここから東京に思わぬ悲劇が襲い掛かってしまうのだった。