待ち合わせ

そんなこんなで10月2日の日曜日、俺は笹の葉タワー2Fに来ていた。肝心の場所がかかれていなかったのだが、この場所名物の顏はめパネルの近くにいれば目立つから見つかりやすいんじゃないのかと思ったら、ちょうど昨日の子が見つかった。向こうも気づいたようで、同時に声をかける。「「あの」」「すいません…急に。ちょっと話がありまして…」「こっちこそ本ッ当にすいません。ちょうどお昼時なんでよかったら食べながらにしません?」「あぁ、そうですね」「失礼かもしれないんですけどお名前伺ってもよろしいでしょうか?」「わたしは―」そのとき、彼女のスマホの着信音が鳴った。『テレテテレテテレテテレ―♪』「すいませんちょっと待って」「はい、二階堂です、はい、今?プライベートです。どこ?…笹の葉タワー。あーうっせ、うっせ。バイバイ」「で、私の名前は『二階堂友左』です」「ゆうさ、あんま聞かない名前ですね」「名前の由来、自分でもわかんないんです」「そうなんで――」あ、詰んだ「ぎゅるるー」「先にお昼にしましょうか」「すいません」