「とうさん、まだかえれないの?おれもう足つかれたー!」「ちょっと待てよ、この写真だけ撮らせてくれ」「うそ。さっきからずっととってる」「ギク、でもこれは十年に一度しか見れない■■なんだ。だからちょっと待って」「いやだ――」「ゲーム課金していいからさ」「おとうさまだいすきー!ここのなまえなんだっけ」「………■■町だ――」

「……………………………父さん?」最近、妙に父さんのことが頭に浮かぶ。夢にまで出てくるとは思わなかった。「っ……!」一瞬腹が痛くなった。なんでだ。こんなこと今までなかったはずだ。「何でだよ………」「希望、朝ごはんで来たわよ」考える余裕もなく、俺は顏を洗いに行った。

「今日は珍しく遅かったわね」朝食を食べながら母さんが話しかけてきた。「そうかな。昨日遅くまで数学の課題やってたからかも」「早く寝なさいっていつも言ってるじゃない。昨日何時に寝たの?」……面倒だな。「3時ちょっと過ぎかな……」「希望、睡眠不足は勉強の妨げになるのはもう何度も言っているでしょう。今日こそは早く寝なさいね!」「………はい」