抜かりなく施された華やかなメイクは決して悪目立ちすることなく、彼女のはっきりした顔立ちをより一層引き立たせている。

「初めまして柚歌ちゃん。よろしくね♪」

「初めまして!」

私は大人の女性の美しさに気後れしながらも、その横顔にしばし見惚れていた。

意外にもスマートな慎くんの運転で、私たちは花火大会が開催される隣の市へと向かった。
道中は慎くんとリナちゃんが中学の同級生だったという話や、泰輝の小さかった頃の話、慎くんの総長時代の話など、終始話題が尽きない。

「ねぇねぇ、柚歌ちゃんはさ、泰輝のどこが好きなのー?」

リナちゃんは突然振り返ると、少し鼻にかかった声で何の脈絡も無く私に尋ねた。その直球過ぎる質問に赤面していると、ミラー越しの慎くんが、すかさず助け舟を出してくれた。

「リナ、あんまり柚歌ちゃん困らせるなよ。おい泰輝!泰輝は柚歌ちゃんのどこが好きなんだ?」

「ちょっと慎ちゃん!全然フォローになってないよ」

慎くんとリナちゃんは、楽しそうにケラケラと笑っている。