「しかしお前ら、思ったよりくっつくのが早かったな!」

「まぁなー」

「本当だよー!まぁ、私は最初から絶対上手くいくって思ってたんだけどね。柚歌、よかったね」

夏休みの学生たちで溢れる駅前のファミレスで、私たちは早速秀くんと那月に茶化されていた。

「これも、秀くんと那月のお陰だよ」

「私たちも嬉しい!これからは、ダブルデートし放題だね♪せっかくの夏休みだし、四人でどこか出かけたいなぁ」

那月はまるで、自分の事かのようにはしゃいでいる。

「柚歌ちゃんそれで?泰輝はどんな感じで告ってきたわけ?」

秀くんはもうニ杯目のメロンソーダを飲みながら、テーブルに身を乗り出して酔っ払いみたいに絡んできた。

「柚歌、秀のことは無視でいいから。秀は柚歌にいちいち絡むなよな!」

三分の一ほど残っていたアイスコーヒーをストローで吸い上げながら、泰輝は秀くんを呆れ顔で見た。私はまだ慣れない"柚歌"の余韻に浸りながら、言われた通り彼の隣で静かにしていた。