憂鬱が重くのし掛かりますます起き上がれなくなった頃、枕元の携帯電話が突然場違いな音を立てた。
「もしもし柚歌!?何してる?」
通話ボタンを押すや否や、聞こえてきたのは那月の甲高い声。
「なんにもしてないよ〜」
「だと思った!暇ならさ、駅前のいつものファミレスで集合しない?」
「うーん。どうしよっかなぁ」
「何それ。ノリ悪いなぁ!」
「わかった。行く!行きます!」
外出するのは正直面倒だった。それでも家に居て、一日中母の存在を気にしているよりは良いだろう。
鉛のように重い身体を無理矢理起こし、適当な服に着替えると、最低限のメイクをして家を出た。
家を出る時、母はいつもの質問をしたけれど、私は聞こえないフリをしてそれを上手くやり過ごした。
顔なじみの店員さんに迎えられて店内を見渡すと、窓際のソファー席から那月が手を振っていた。
「柚歌♪元気してた?」
終業式は数日前だったというのに、随分と会っていなかったみたいな口ぶりだ。
「まぁね。那月は?」
その答えは聞かずとも、表情を見ればわかった。
いつもと変わらない満面の笑みを見ていると、鬱々とした気分も少しは和らぐ。
「もしもし柚歌!?何してる?」
通話ボタンを押すや否や、聞こえてきたのは那月の甲高い声。
「なんにもしてないよ〜」
「だと思った!暇ならさ、駅前のいつものファミレスで集合しない?」
「うーん。どうしよっかなぁ」
「何それ。ノリ悪いなぁ!」
「わかった。行く!行きます!」
外出するのは正直面倒だった。それでも家に居て、一日中母の存在を気にしているよりは良いだろう。
鉛のように重い身体を無理矢理起こし、適当な服に着替えると、最低限のメイクをして家を出た。
家を出る時、母はいつもの質問をしたけれど、私は聞こえないフリをしてそれを上手くやり過ごした。
顔なじみの店員さんに迎えられて店内を見渡すと、窓際のソファー席から那月が手を振っていた。
「柚歌♪元気してた?」
終業式は数日前だったというのに、随分と会っていなかったみたいな口ぶりだ。
「まぁね。那月は?」
その答えは聞かずとも、表情を見ればわかった。
いつもと変わらない満面の笑みを見ていると、鬱々とした気分も少しは和らぐ。