駅の裏側を抜けてしばらく行くと、堤防の向こうに広がるのは青々とした海だ。
私は泰輝くんの背中を追いかけて、堤防沿いの道をまっすぐに歩いていた。
アスファルトにじりじりと照り付ける太陽が、額にじんわりと汗を滲ませる。けれど時折吹き抜ける潮風は、汗を冷やしてとても心地いい。
「もう少しで着くよ!」
そう言われた時、どこに向かっているのか全く見当もつかない私は"海沿いの方に住んでいる"という彼の言葉を思い出し、いささか不安になり始めていた。
「心配しなくても大丈夫、変な所には連れて行かないから」
泰輝くんがニヤニヤと私の顔を覗き込む。
心の中を見事に読まれ、返す言葉が見つからない。
「別にそんなんじゃ……」
「柚歌ちゃんて意外と分かりやすいなー。顔に不安!って書いてある」
「もう、やめてよ」
じわじわと熱くなった顔を両手で覆うと、泰輝くんは口先だけでごめんと言って、お腹を抱えた。
そうこうして、からかわれながらしばらく歩き続けているうち、私たちが来た道はとうとう行き止まりになってしまった。
私は泰輝くんの背中を追いかけて、堤防沿いの道をまっすぐに歩いていた。
アスファルトにじりじりと照り付ける太陽が、額にじんわりと汗を滲ませる。けれど時折吹き抜ける潮風は、汗を冷やしてとても心地いい。
「もう少しで着くよ!」
そう言われた時、どこに向かっているのか全く見当もつかない私は"海沿いの方に住んでいる"という彼の言葉を思い出し、いささか不安になり始めていた。
「心配しなくても大丈夫、変な所には連れて行かないから」
泰輝くんがニヤニヤと私の顔を覗き込む。
心の中を見事に読まれ、返す言葉が見つからない。
「別にそんなんじゃ……」
「柚歌ちゃんて意外と分かりやすいなー。顔に不安!って書いてある」
「もう、やめてよ」
じわじわと熱くなった顔を両手で覆うと、泰輝くんは口先だけでごめんと言って、お腹を抱えた。
そうこうして、からかわれながらしばらく歩き続けているうち、私たちが来た道はとうとう行き止まりになってしまった。