「慎さんには悪いけど、七回忌の事は柚歌ちゃんが良いようにすればいいと思う。ただ、泰輝の親友として言わせて貰うなら、一回くらいはあいつの墓参りに行ってやってよ。いつでも良いからさ。柚歌ちゃんの元気な姿見せて、泰輝を安心させてやって」
秀くんは私の顔色を伺いながら、ちょっぴり眉毛を下げてそう言った。
「うん、そうだね。ありがとう秀くん。七回忌の事は一度よく考えてみる」
「頼むよ。慎さんには俺から話しておく」
大将にお礼を言って店を出ると、夜風はもうすっかり夏を纏っていた。
少しも塩気のない、ただ湿っぽいだけの都会の匂いがした。
「じゃあ柚歌ちゃん、気をつけて。何かあったらいつでも連絡してよ」
「うん。秀くん、今日は本当にありがとう。奥さんと仲良くね!」
「おう。それじゃ、また!」
人混みに溶けていく後ろ姿にしばらく手を振った。
私たちの間には、もう"また"が訪れないような気がしていた。
秀くんは私の顔色を伺いながら、ちょっぴり眉毛を下げてそう言った。
「うん、そうだね。ありがとう秀くん。七回忌の事は一度よく考えてみる」
「頼むよ。慎さんには俺から話しておく」
大将にお礼を言って店を出ると、夜風はもうすっかり夏を纏っていた。
少しも塩気のない、ただ湿っぽいだけの都会の匂いがした。
「じゃあ柚歌ちゃん、気をつけて。何かあったらいつでも連絡してよ」
「うん。秀くん、今日は本当にありがとう。奥さんと仲良くね!」
「おう。それじゃ、また!」
人混みに溶けていく後ろ姿にしばらく手を振った。
私たちの間には、もう"また"が訪れないような気がしていた。