『泰輝合格おめでとう!!!』

扉が開かれると同時に、一斉にクラッカーが放たれた。

「わ!びっくりした!」

思わず声をあげた泰輝の横でヒロさんは満足そうに笑い、手を叩いて喜んでいる。
全員が揃った所でヒロさんが乾杯の音頭を取って、ささやかなお祝いパーティーがスタートした。

「美味い!ユキさんの唐揚げ最高!」

「違う違う、私じゃないの。今日の唐揚げは柚歌ちゃんが作ってくれたの!泰輝幸せ者だねー♪」

「え?柚歌だったの?凄いじゃん。すげー美味い!」

「ユキさんの教え方が上手だったからだよ」

「柚歌ちゃんの筋が良いんだよ。柚歌ちゃん料理のセンスあるから、いい奥さんになれそうだね」

泰輝とユキさんに褒められた私が照れ臭くなって黙っていると、ヒロさんが泰輝を横から突いた。

「泰輝、昼から見せつけてくれるなぁ。まったく羨ましいよ。いいなぁ若いって」 

ヒロさんは缶ビールを片手にすっかり上機嫌だ。