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名 前:ゼノ・フレイザー
クラス:戦士
レベル:37→38
体 力:73/185→190/190
魔 力:0/0
攻撃力:45→46
防御力:48→50
呪 文:なし
スキル:【アイテム交換所】(EXスキル)
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 レベルアップした俺は、こんな数値になった。

 レベル1くらいじゃ大幅にパワーアップというわけにはいかないけど、レベルアップには他にも恩恵がある。

「よし、体力が全回復した」

 さっきのビッグワームとの戦闘でけっこう体力を消耗していたからな。
 それが全回復したのは大きい。

「おかげでまだまだ戦えるな」

 魔石の方は十五体のビッグワームを全滅させたため、七×十五=百五個手に入った。
 R魔石に換算すると二個と少しだ。

 これで新たに罠を一つ仕入れるか、即死魔法が込められた矢を一本入手することができる。
 その辺は現れたモンスターに応じて使い分けするとして――、

「あと少し進んでみるか」

 といっても、俺はソロだ。
 いざとなったとき、誰かに助けてもらうことはできない。

 安全に安全を重ねるくらいの気持ちで慎重に進む必要がある。
 その一方で、ある程度の危険に踏みこんでいってこそ得られるものもある。

 バランスが難しい――。



 俺はもう一つ下の階層――十二層までやって来た。
 この辺りになると、モンスターもかなり強くなってくるはずだ。

「あれは――」

 前方に巨大なシルエットが見えた。

 体長は五メートルほどだろうか、巨人型のモンスターだ。
 頭の両サイドに巨大な牛の角。
 全身には毛皮が生えており、右手には巨大な斧が握られていた。

「リトルミノタウロスか……!」

 Cランクモンスター、リトルミノタウロス。
 リトル、という言葉が頭につくものの、Aランクモンスターであるミノタウロスにそれほど見劣りしないだけの強さを備えた厄介な敵だ。

「たぶん『中ボス』だよな……」

 ダンジョンには特定の階層にこういった強力なモンスターが番人として控えていることがある。
 最下層にいるものを『大ボス』とか『ラスボス』などと呼び、途中の階層に出てくるやつは『中ボス』と通称されていた。

 ここまで出てきたモンスターがほとんどEランクばかりだったことを考えると、いきなり出てきたCランクのこいつは、間違いなくボス格だろう。

「できれば戦いたくはないな……」

 俺は足音を立てないように後ずさる。

 ぎろり。
 いきなり奴がこっちを向いた。

 見つかった!
 音は立てなかったはずだが、気配を察知されたんだろうか。

 あるいは特殊スキルでも持っているのか。

「どっちにしても、正面から戦うにはまずい……!」

 俺は全力でダッシュした。
 ここはいったん上層階まで逃げよう。

 ぐぎぎぎぎぎいいいいっ。

 うなりながら、リトルミノタウロスが意外に素早いスピードで回りこんだ。
 出口は奴の後ろだ。
 ここから出るには、リトルミノタウロスを倒すしかない。

 うおおおおおおおおおおおおんっ。

 雄たけびとともに、リトルミノタウロスが大斧を振りかぶった。
 その刃が青い光を放つ。

 あれは――スキル攻撃の輝きだ!

「くっ……!」

 俺は全速力でその場から離れた。
 直後、一瞬前まで俺が立っていた場所に斧が叩きつけられる。

 ぐごぉぉぉぉんっ!

 青い輝きとともに爆光が弾けた。
 地面が大きく陥没し、無数の亀裂が走る。

 確かあれは――スキル【バーストストライク】。

 強烈な打撃と衝撃波をまき散らす攻撃スキルである。

「今のをまともに食らったら、確実に死ぬ――」

 俺はゾッとなった。

 やはり欲張って下の階層まで来すぎたんだろうか。
 俺みたいな底辺は現状に満足して、細々と安全な階層だけを行き来していればよかったんだろうか。

「――違う」

 危険に踏みこむってことは、未来の可能性を切り開くってことだ。

「俺は未来をつかむために来たんだ……っ!」

 リトルミノタウロスが向かってくる。

「『クロスボウと魔法の矢』の説明を見せてくれ」

 俺は空中に呼びかけた。

 ヴ……ン。

 前方の空間に説明文字が現れる。

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・クロスボウ&魔法の矢1本(即死タイプ)……魔石R2個と交換

※Aランク以上のモンスターには10%、Bランクモンスターには30%、Cランクモンスターには70%、Dランク以下のモンスターには99%の確率で発生する即死魔法が込められた矢。クロスボウは初回交換時のみ付属。
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 手持ちのN魔石はさっきビッグワームの群れを倒したときに手に入れた百五個と、他の道中で手に入れた七個――合計で百十二個ある。
 N魔石五十個がR一個分だから、交換に必要なR二個には足りている。

「よし、『クロスボウと魔法の矢』を魔石と交換してくれ」

 告げたとたん、俺の手に巨大なクロスボウと一本の矢がそれぞれ出現した。

「さあ、決戦だ――」