「もう少し下の階層まで行ってみるか」
俺は決断した。
最高記録の第十層までは、あと三層。
けど、今日はもっと先まで行けそうな気がする――。
とにかく魔石を稼ぎたい。
以前の俺と違って、アイテム交換所の便利アイテムをいくらでも使えるんだ。
もちろん魔石を消費するという条件付きだが。
ともあれ、以前の俺よりはるかに強くなっているのは間違いないだろう。
モンスター相手に効果のある武器やアイテムをいくつも呼び出せるし、また収納エリアにも保管してある。
俺はさらに下の階層へと進んだ。
ちまちまとモンスターを倒し、魔石を回収しつつ、進む。
第八層、第九層、第十層……そして。
「よし、行くぞ……ここからは未知の領域だ」
俺は第十一層へと降りた。
危険は当然ある。
けど、ドキドキとワクワクの両方がこみ上げていた。
自分が強くなった実感と。
その強さを試してみたいという高揚感。
両方が俺の中を心地よく駆け巡っていた。
しばらく進むと、モンスターの気配を感じた。
俺は冒険者としては底辺といっていい弱さなんだけど、『モンスターの気配を察知する』能力に関しては自信がある。
というか、ソロなので気配に敏感じゃないと、いきなりモンスターの不意打ちを食らって死ぬ、なんてこともあり得るからな。
自然と鍛えられたのだ。
俺は物陰に隠れ、周囲を見回した。
「……いた。あれか」
ちょうど三時の方向に、全長一メートルほどの巨大なムカデを発見する。
数は十五体。
見た目が気持ち悪いので、あまり正視したくない軍団である。
「さっきビッグアントに使ったのと同じ罠アイテムを使ってみるか――」
俺は魔石を消費して、アイテムを入手する。
さっきと同じ爆撃魔法の罠アイテムだ。
「上手くかかってくれよ……」
俺は念を込めながら、罠を設置した。
ただしビッグワームの動きは、ビッグアントほど整然としていない。
全部がきっちりと罠の中に収まる……という動きをしてくれない。
「モタモタしていたら、大半が効果範囲の外に出てしまう。ここでいくか……!」
十五体中、効果範囲に入っているのは十二体。
けど、たぶんこれが限界だろう。
「【起爆】!」
俺は呪言を唱えた。
ごうっ!
青い火柱とともに十二体のビッグワームが倒れる。
Nの魔石が一体につき七個――合計で八十四個、その場に転がった。
だけど、まだ三体が生き残っている。
しかもその三体はどうやら俺に気づいたようだ。
「こいつらは直接やるしかない――」
剣を抜いて立ち向かう。
ざんっ!
一体を正面から切り伏せた。
さらにもう一体目もなんとか両断する。
が、その間に三体目の攻撃を食らって、俺は吹き飛ばされる。
「ぐっ……!」
体がしびれる。
こいつ【毒】攻撃があるのか……?
なおも向かってくるビッグワーム。
「『毒消し』を!」
俺は空中に向かって叫んだ。
収納エリアから、毒消し草を一本取り出し、口に入れる。
すうっと体から痺れが消えた。
「余った魔石で毒消し草を買っておいてよかった……」
立ち上がった俺は最後の一体を切り伏せた。
「はあ、はあ、はあ……」
なんとか勝てたけど、やっぱりソロは大変だ。
ぴろりーん。
――と、そのとき甲高い音が聞こえた。
レベルアップのときに聞こえてくる音だ。
今の戦闘で俺のレベルが一つ上がったらしい。
俺は決断した。
最高記録の第十層までは、あと三層。
けど、今日はもっと先まで行けそうな気がする――。
とにかく魔石を稼ぎたい。
以前の俺と違って、アイテム交換所の便利アイテムをいくらでも使えるんだ。
もちろん魔石を消費するという条件付きだが。
ともあれ、以前の俺よりはるかに強くなっているのは間違いないだろう。
モンスター相手に効果のある武器やアイテムをいくつも呼び出せるし、また収納エリアにも保管してある。
俺はさらに下の階層へと進んだ。
ちまちまとモンスターを倒し、魔石を回収しつつ、進む。
第八層、第九層、第十層……そして。
「よし、行くぞ……ここからは未知の領域だ」
俺は第十一層へと降りた。
危険は当然ある。
けど、ドキドキとワクワクの両方がこみ上げていた。
自分が強くなった実感と。
その強さを試してみたいという高揚感。
両方が俺の中を心地よく駆け巡っていた。
しばらく進むと、モンスターの気配を感じた。
俺は冒険者としては底辺といっていい弱さなんだけど、『モンスターの気配を察知する』能力に関しては自信がある。
というか、ソロなので気配に敏感じゃないと、いきなりモンスターの不意打ちを食らって死ぬ、なんてこともあり得るからな。
自然と鍛えられたのだ。
俺は物陰に隠れ、周囲を見回した。
「……いた。あれか」
ちょうど三時の方向に、全長一メートルほどの巨大なムカデを発見する。
数は十五体。
見た目が気持ち悪いので、あまり正視したくない軍団である。
「さっきビッグアントに使ったのと同じ罠アイテムを使ってみるか――」
俺は魔石を消費して、アイテムを入手する。
さっきと同じ爆撃魔法の罠アイテムだ。
「上手くかかってくれよ……」
俺は念を込めながら、罠を設置した。
ただしビッグワームの動きは、ビッグアントほど整然としていない。
全部がきっちりと罠の中に収まる……という動きをしてくれない。
「モタモタしていたら、大半が効果範囲の外に出てしまう。ここでいくか……!」
十五体中、効果範囲に入っているのは十二体。
けど、たぶんこれが限界だろう。
「【起爆】!」
俺は呪言を唱えた。
ごうっ!
青い火柱とともに十二体のビッグワームが倒れる。
Nの魔石が一体につき七個――合計で八十四個、その場に転がった。
だけど、まだ三体が生き残っている。
しかもその三体はどうやら俺に気づいたようだ。
「こいつらは直接やるしかない――」
剣を抜いて立ち向かう。
ざんっ!
一体を正面から切り伏せた。
さらにもう一体目もなんとか両断する。
が、その間に三体目の攻撃を食らって、俺は吹き飛ばされる。
「ぐっ……!」
体がしびれる。
こいつ【毒】攻撃があるのか……?
なおも向かってくるビッグワーム。
「『毒消し』を!」
俺は空中に向かって叫んだ。
収納エリアから、毒消し草を一本取り出し、口に入れる。
すうっと体から痺れが消えた。
「余った魔石で毒消し草を買っておいてよかった……」
立ち上がった俺は最後の一体を切り伏せた。
「はあ、はあ、はあ……」
なんとか勝てたけど、やっぱりソロは大変だ。
ぴろりーん。
――と、そのとき甲高い音が聞こえた。
レベルアップのときに聞こえてくる音だ。
今の戦闘で俺のレベルが一つ上がったらしい。