俺はさっそくダンジョンに行ってみた。
低階層はすでに勝手知ったる我が家のようなものだ。
比較的弱く、数が多いモンスターが集まるポイントまで一直線。
俺の狙いは、第七層だった。
ここには巨大アリのモンスター『ビッグアント』の群生地があるのだ。
奴らが通りそうなルートに、さっき入手したばかりの『魔法の罠』を仕掛けた。
「上手くかかれよ……」
俺は物陰で様子を見る。
待つこと三十分ほど。
「――来た」
俺は小声でつぶやいた。
二十四体のビッグアントがゾロゾロと歩いてくる。
あの数だと、俺が一人で戦ってもさすがに勝てない。
数の暴力で打ち倒されるだろう。
だから、普段なら奴らが通るルートを避けて、先へ進むのだが。
「こいつがあれば――」
俺は慎重にタイミングを計る。
罠の効果範囲は直径十五メートル。
その範囲内に奴らが全部入れば――。
俺はさらにタイミングを計る。
ぞろぞろぞろ……。
ビッグアントたちは隊列を組み、一体、また一体と範囲内に入っていく。
やがて――最後の一体が範囲内に足を踏み入れた。
「……よし、全部入った! 【起爆】!」
俺は罠を作動させるための呪言を叫んだ。
ごうっ!
罠の内部に無数の青い火柱が立った。
火柱一本につきビッグアント一体を包みこむ。
火柱が消え去った後には、焼け焦げて動かなくなったビッグアントたちが転がっていた。
まさしく一網打尽である。
「おお、こんなに簡単に全滅させられるのか……!」
俺は半ば感動していた。
ころんっ……!
ビッグアントたちの体から魔石が転がりでる。
ランクはいずれもNで、一体につき5個――合計で120個である。
「大漁だ」
俺はホクホク顔だった。
本来ならNの魔石なんて、俺の腕じゃ一日に10個が限度だろう。
一気に12日分くらいの稼ぎを得てしまったわけだ。
EXスキル様様だった。
「そうだ。これを使えば、また『魔法の罠』を入手できるな。今度はもっとたくさんの魔石を落とすモンスターを大量に倒せば――」
無限ループ。
罠でモンスター群を倒し、得られた魔石でまた罠を入手し、その罠でまた……。
「これは――使える!」
俺はワクワクしてきた。
残った魔石Nが28個あったので、『薬草×10』『毒消し草×10』『木のお守り』『丈夫なナイフ』と交換しておいた。
これで手持ちの魔石はゼロだ。
「しまった、つい調子に乗っていっぱい入手したけど、こんなに持ちきれないぞ……」
俺は両手に抱えたアイテム類を見て、ため息をついた。
これを全部持ったままダンジョン探索するのは、さすがに無理だ。
両手が塞がっちゃうしな。
かといって、荷物袋は探索用の道具がけっこう入っているから、これ以上はあまり入らない。
「どうしよう――」
――――――――――――――――
入手したアイテムを『アイテム交換所』内の『収納エリア』に移動させることができます。
移動しますか?
――――――――――――――――
「えっ、これを異空間とかに入れられるのか?」
だとしたら、めちゃくちゃ便利だ。
俺は入手したアイテムをすべて収納エリア内に移すように念じた。
――――――――――――――――
移動完了。
指定したアイテムは術者の意志により、いつでも取り出すことができます。
――――――――――――――――
「おお、うまくいった!」
今後はアイテムを入手しすぎた、とかそんなことは一切気にせず、ガンガン入手できるな。
まあ、そのためにはもっともっと魔石を手に入れなきゃいけないわけだけど――。
低階層はすでに勝手知ったる我が家のようなものだ。
比較的弱く、数が多いモンスターが集まるポイントまで一直線。
俺の狙いは、第七層だった。
ここには巨大アリのモンスター『ビッグアント』の群生地があるのだ。
奴らが通りそうなルートに、さっき入手したばかりの『魔法の罠』を仕掛けた。
「上手くかかれよ……」
俺は物陰で様子を見る。
待つこと三十分ほど。
「――来た」
俺は小声でつぶやいた。
二十四体のビッグアントがゾロゾロと歩いてくる。
あの数だと、俺が一人で戦ってもさすがに勝てない。
数の暴力で打ち倒されるだろう。
だから、普段なら奴らが通るルートを避けて、先へ進むのだが。
「こいつがあれば――」
俺は慎重にタイミングを計る。
罠の効果範囲は直径十五メートル。
その範囲内に奴らが全部入れば――。
俺はさらにタイミングを計る。
ぞろぞろぞろ……。
ビッグアントたちは隊列を組み、一体、また一体と範囲内に入っていく。
やがて――最後の一体が範囲内に足を踏み入れた。
「……よし、全部入った! 【起爆】!」
俺は罠を作動させるための呪言を叫んだ。
ごうっ!
罠の内部に無数の青い火柱が立った。
火柱一本につきビッグアント一体を包みこむ。
火柱が消え去った後には、焼け焦げて動かなくなったビッグアントたちが転がっていた。
まさしく一網打尽である。
「おお、こんなに簡単に全滅させられるのか……!」
俺は半ば感動していた。
ころんっ……!
ビッグアントたちの体から魔石が転がりでる。
ランクはいずれもNで、一体につき5個――合計で120個である。
「大漁だ」
俺はホクホク顔だった。
本来ならNの魔石なんて、俺の腕じゃ一日に10個が限度だろう。
一気に12日分くらいの稼ぎを得てしまったわけだ。
EXスキル様様だった。
「そうだ。これを使えば、また『魔法の罠』を入手できるな。今度はもっとたくさんの魔石を落とすモンスターを大量に倒せば――」
無限ループ。
罠でモンスター群を倒し、得られた魔石でまた罠を入手し、その罠でまた……。
「これは――使える!」
俺はワクワクしてきた。
残った魔石Nが28個あったので、『薬草×10』『毒消し草×10』『木のお守り』『丈夫なナイフ』と交換しておいた。
これで手持ちの魔石はゼロだ。
「しまった、つい調子に乗っていっぱい入手したけど、こんなに持ちきれないぞ……」
俺は両手に抱えたアイテム類を見て、ため息をついた。
これを全部持ったままダンジョン探索するのは、さすがに無理だ。
両手が塞がっちゃうしな。
かといって、荷物袋は探索用の道具がけっこう入っているから、これ以上はあまり入らない。
「どうしよう――」
――――――――――――――――
入手したアイテムを『アイテム交換所』内の『収納エリア』に移動させることができます。
移動しますか?
――――――――――――――――
「えっ、これを異空間とかに入れられるのか?」
だとしたら、めちゃくちゃ便利だ。
俺は入手したアイテムをすべて収納エリア内に移すように念じた。
――――――――――――――――
移動完了。
指定したアイテムは術者の意志により、いつでも取り出すことができます。
――――――――――――――――
「おお、うまくいった!」
今後はアイテムを入手しすぎた、とかそんなことは一切気にせず、ガンガン入手できるな。
まあ、そのためにはもっともっと魔石を手に入れなきゃいけないわけだけど――。