今年もあと一ヶ月を切り、半同棲になってから初めてひとりで過ごす夜。ぼーっと空を眺めながら、煙草を吸う。
こうしている瞬間が、無心になれて楽だ。
今日、新しい下着を買った。全然趣味じゃない大人の女が履くようなもの。理由なんてない。目に入ったから、ただなんとなく。
ひとりで包まる布団は、少しだけ冷たかった。彼女がいない時間でも、つい考えてしまうから、気を紛らわすためにずっとスマホを触って。
「……レナ、会いたい」
それでも、どうしようもなく恋しくなる。
いつの間にか、わたしの生きる全てが彼女になっていた。
でも、あの子は違う。口ではどうでもいいと言うけれど、結婚に対して憧れを持っている。わたしがいなくても、彼女は違う道を見つけて生きていけるのだろう。
醜い感情が押し寄せてきて、心も体も沈んでいく。
このまま縛り続けていては、彼女をどうにかしてしまいそうだ。
帰ってくる当日。わざと新しい下着を身につけた。どんな反応か試したくて。
それなのに、彼女は気付くどころか、式場で知り合った男と連絡を取っていた。いらだちを隠せなくて、冷たく当たってしまった。
「なんか、怒ってる?」
「べつに」
「うそ。なんか、今日の千秋ヘン」
「……そんなことないよ」
優しく肌に触れると、きつく瞼を閉じてわたしを受け入れる。そんな彼女の仕草に、胸の奥が締め付けられていく。
こんなにも愛おしいのに、傷つけたくないのに。
何年か先で、彼女が笑っている姿を想像することができなかった。
こうしている瞬間が、無心になれて楽だ。
今日、新しい下着を買った。全然趣味じゃない大人の女が履くようなもの。理由なんてない。目に入ったから、ただなんとなく。
ひとりで包まる布団は、少しだけ冷たかった。彼女がいない時間でも、つい考えてしまうから、気を紛らわすためにずっとスマホを触って。
「……レナ、会いたい」
それでも、どうしようもなく恋しくなる。
いつの間にか、わたしの生きる全てが彼女になっていた。
でも、あの子は違う。口ではどうでもいいと言うけれど、結婚に対して憧れを持っている。わたしがいなくても、彼女は違う道を見つけて生きていけるのだろう。
醜い感情が押し寄せてきて、心も体も沈んでいく。
このまま縛り続けていては、彼女をどうにかしてしまいそうだ。
帰ってくる当日。わざと新しい下着を身につけた。どんな反応か試したくて。
それなのに、彼女は気付くどころか、式場で知り合った男と連絡を取っていた。いらだちを隠せなくて、冷たく当たってしまった。
「なんか、怒ってる?」
「べつに」
「うそ。なんか、今日の千秋ヘン」
「……そんなことないよ」
優しく肌に触れると、きつく瞼を閉じてわたしを受け入れる。そんな彼女の仕草に、胸の奥が締め付けられていく。
こんなにも愛おしいのに、傷つけたくないのに。
何年か先で、彼女が笑っている姿を想像することができなかった。