「さあみんな、バーベキュー大会を始めよう!」
火炎魔法を使える人が協力してくれて、盛大なパーティーが始まった。
「燃えろ! あたしのフレイムソード!」
リタのフレイムソードも大活躍だ。ロース、フィレ、モモ、サーロイン、いろんな部位が次々と焼きあがっていく。
「セラ……」
遠慮がちに声をかけてきたのはメリッサだった。彼女の後ろにはボディーガードのように四〇人のメンバーが控えている。肉を食べていた人々も緊張して手を休めてしまうほどの迫力だ。だけどメリッサはちっとも怖くないことを僕は知っている。
「来てくれたんだね、メリッサ。パーティーはもう始まっているよ。遠慮しないでどんどん食べてね。みなさんもどうぞ」
案内をしてあげると、メリッサの横にいた大柄な人が頭を下げてきた。
「黒い刃の副長をしているタナトスだ。お招きに感謝する」
タナトスは四〇歳くらいの大柄な人で、眼光も鋭くてとても強そうだ。メリッサと同じ黒髪を長くしてオールバックにしている。旧グランベル王国の人は黒髪の人が多いのかな? もっとも僕の両親もグランベル出身だったけど、髪は銀色だ。僕も両親と同じで銀髪だった。
「遠慮しないでたくさん召し上がってくださいね」
メリッサがクイクイと袖を引っ張る。
「どうしたの?」
「おみやげ……」
黒い刃のメンバーたちが荷物を部屋の前においてくれた。気を遣ってパンや酒を持ってきてくれたようだ。
「べつにいいのに」
「こらこら、セラ。人の好意はありがたく受け取らんか!」
シドがしゃしゃり出てきた。腕にはしっかりと酒の小樽を抱えている。
「ありがとう、メリッサ。お礼に僕が肉を焼いてあげるね。好きな部位はある?」
「ロース」
相変わらず口数は少ないけど、メリッサの機嫌は良さそうだ。フレイムソードを借りて、メリッサのロース、リタのカルビ、僕のフィレを焼くことにした。シドは踊り子のお姉さんと一緒だから放っておくことにしよう……。
まずは生肉に下味をつけて……。そうだ、この塩も『改造』してしまおう。エルドラハの塩は帝国が飛空艇で運んでくるんだけど、あんまり美味しくない。これまではそうでもなかったけど、前世の記憶が戻った僕には苦く感じるのだ。
火炎魔法を使える人が協力してくれて、盛大なパーティーが始まった。
「燃えろ! あたしのフレイムソード!」
リタのフレイムソードも大活躍だ。ロース、フィレ、モモ、サーロイン、いろんな部位が次々と焼きあがっていく。
「セラ……」
遠慮がちに声をかけてきたのはメリッサだった。彼女の後ろにはボディーガードのように四〇人のメンバーが控えている。肉を食べていた人々も緊張して手を休めてしまうほどの迫力だ。だけどメリッサはちっとも怖くないことを僕は知っている。
「来てくれたんだね、メリッサ。パーティーはもう始まっているよ。遠慮しないでどんどん食べてね。みなさんもどうぞ」
案内をしてあげると、メリッサの横にいた大柄な人が頭を下げてきた。
「黒い刃の副長をしているタナトスだ。お招きに感謝する」
タナトスは四〇歳くらいの大柄な人で、眼光も鋭くてとても強そうだ。メリッサと同じ黒髪を長くしてオールバックにしている。旧グランベル王国の人は黒髪の人が多いのかな? もっとも僕の両親もグランベル出身だったけど、髪は銀色だ。僕も両親と同じで銀髪だった。
「遠慮しないでたくさん召し上がってくださいね」
メリッサがクイクイと袖を引っ張る。
「どうしたの?」
「おみやげ……」
黒い刃のメンバーたちが荷物を部屋の前においてくれた。気を遣ってパンや酒を持ってきてくれたようだ。
「べつにいいのに」
「こらこら、セラ。人の好意はありがたく受け取らんか!」
シドがしゃしゃり出てきた。腕にはしっかりと酒の小樽を抱えている。
「ありがとう、メリッサ。お礼に僕が肉を焼いてあげるね。好きな部位はある?」
「ロース」
相変わらず口数は少ないけど、メリッサの機嫌は良さそうだ。フレイムソードを借りて、メリッサのロース、リタのカルビ、僕のフィレを焼くことにした。シドは踊り子のお姉さんと一緒だから放っておくことにしよう……。
まずは生肉に下味をつけて……。そうだ、この塩も『改造』してしまおう。エルドラハの塩は帝国が飛空艇で運んでくるんだけど、あんまり美味しくない。これまではそうでもなかったけど、前世の記憶が戻った僕には苦く感じるのだ。