「まあ、そうだけど……」
時刻はそろそろ夕方になろうとしている。早く帰って夕飯の支度をしなくちゃね。どうにかこうにか引きずって、最後の上り階段のところまでやってきた。
「よし、ここは担ぎ上げるぞ」
「担ぎ上げるって、おま……」
シドが駆け寄ってきたけど、僕は手で止めた。
「危ないから離れていて。いくよ~……フンッ!」
僕の身長が低いせいで、レッドボアの足は地上に付いたままだったけど、何とか肩の上に乗せることができたぞ。
「大丈夫なの? 潰れたりしない?」
心配なのだろうけど、リタも手を出しあぐねているようだ。
「思ったよりきつくない……。担ぎ上げちゃえば平気みたい」
肩にレッドボアを乗せたまま階段を一歩だけ上がってみる。残りは四七段、ぜんぜんいけそうだ。
「ほら、問題ないよ」
みんなを安心させるために振り向いたら各所で悲鳴が上がった。1トンもあるものを振り回すのは危ないね……。と、ここで見知った顔を見つけた。通路の奥から『黒い刃』の一団が姿を現したのだ。中心にはメリッサもいて、驚いたようにこちらを見ている。僕はメリッサに向けて大きく手を振った。
「メリッサ、見て! すごいでしょう、これ!」
メリッサがコクコクと頷いている。
「えへへ、獲物の大きさにびっくりしてくれたみたいだ」
「セラのパワーに呆れているだけじゃねえのか?」
シドのツッコミは置いといて、夕飯にメリッサも誘ってみようかな。
「メリッサ! これからみんなでバーベキューパーティーをするんだ。メリッサたちもおいでよ!」
メリッサは固まったまま動かない。遠慮しているのかな?
「チームのみんなで来ていいからね。だってこんなにあるんだよ。肉は嫌い?」
メリッサはふるふると首を横に振る。その姿はとてもすてきだ。氷の鬼女なんてあだ名は似合わないよ。
「じゃあ、遊びに来てね!」
メリッサに住所を教えて、僕は再び階段に向き直った。大勢がパーティーに来るんだから急がなくてはならない。大きく息を吸って、僕は一気に階段を駆け上がる。後ろの方でシドとリタが何かしゃべっているけど、レッドボアの毛がガサガサいっていてよく聞こえなかった。
「セラはレッドボアを全部食べる気でいるのかしら?」
「たぶん、近所のやつらにもふるまう気でいるぜ」
時刻はそろそろ夕方になろうとしている。早く帰って夕飯の支度をしなくちゃね。どうにかこうにか引きずって、最後の上り階段のところまでやってきた。
「よし、ここは担ぎ上げるぞ」
「担ぎ上げるって、おま……」
シドが駆け寄ってきたけど、僕は手で止めた。
「危ないから離れていて。いくよ~……フンッ!」
僕の身長が低いせいで、レッドボアの足は地上に付いたままだったけど、何とか肩の上に乗せることができたぞ。
「大丈夫なの? 潰れたりしない?」
心配なのだろうけど、リタも手を出しあぐねているようだ。
「思ったよりきつくない……。担ぎ上げちゃえば平気みたい」
肩にレッドボアを乗せたまま階段を一歩だけ上がってみる。残りは四七段、ぜんぜんいけそうだ。
「ほら、問題ないよ」
みんなを安心させるために振り向いたら各所で悲鳴が上がった。1トンもあるものを振り回すのは危ないね……。と、ここで見知った顔を見つけた。通路の奥から『黒い刃』の一団が姿を現したのだ。中心にはメリッサもいて、驚いたようにこちらを見ている。僕はメリッサに向けて大きく手を振った。
「メリッサ、見て! すごいでしょう、これ!」
メリッサがコクコクと頷いている。
「えへへ、獲物の大きさにびっくりしてくれたみたいだ」
「セラのパワーに呆れているだけじゃねえのか?」
シドのツッコミは置いといて、夕飯にメリッサも誘ってみようかな。
「メリッサ! これからみんなでバーベキューパーティーをするんだ。メリッサたちもおいでよ!」
メリッサは固まったまま動かない。遠慮しているのかな?
「チームのみんなで来ていいからね。だってこんなにあるんだよ。肉は嫌い?」
メリッサはふるふると首を横に振る。その姿はとてもすてきだ。氷の鬼女なんてあだ名は似合わないよ。
「じゃあ、遊びに来てね!」
メリッサに住所を教えて、僕は再び階段に向き直った。大勢がパーティーに来るんだから急がなくてはならない。大きく息を吸って、僕は一気に階段を駆け上がる。後ろの方でシドとリタが何かしゃべっているけど、レッドボアの毛がガサガサいっていてよく聞こえなかった。
「セラはレッドボアを全部食べる気でいるのかしら?」
「たぶん、近所のやつらにもふるまう気でいるぜ」