エスカレーターを駆け登り地下九階まで戻ってくると、みんなは昼食の準備をしているところだった。
「あ、いいところに帰ってきたね。ちょうどソーセージが焼けたよ」
リタが串にささった大きなソーセージを突き出してきた。肉汁が溢れて、つやつやと光るソーセージは空っぽのお腹に何とも魅力的だ。僕は串を受け取りながら状況を説明した。
「というわけでカジンダスが裏切った。第二皇女のエリシモさんが人質になっているんだ。戦艦を奪い返すからみんなにも協力してほしい」
ミレアは口をとがらせて文句を言う。
「だけどさあ、帝国に対する反逆でしょう? 私たちが手を貸す義理なんてないじゃない?」
「いや、オーケンは危険な男だ。あんなのに戦艦を好きに使わせたら世界は大混乱に陥るよ」
シドは腕を組んで頷く。
「怪物には名刀を見せるな、って昔から言うからなあ……」
メリッサは僕を見つめた。
「エリシモという皇女のため?」
「それだけじゃないさ」
否定したけどメリッサは引き下がらなかった。その表情には戸惑いの色が現れている。少しだけ言葉を探すような顔つきをした後で、メリッサは意を決して僕に訊ねてきた。
「でも、あの皇女とキスをしたのでしょう?」
メリッサの言葉にみんなの視線が僕に集まった。
「な、なんでそれを……」
「ダンジョンで野営をしていたときにセラたちの会話が聞こえてしまったの」
エリシモさんが僕を訪ねてきた晩のことか。
「でもあれは――」
「わかっている。セラが望んでしたことじゃないって……。お願い、セラの本当の気持ちを聞かせて。正直に打ち明けてくれたら、その答えが何であれ私はセラに協力する。もしセラがあの皇女を助けるために命を懸けるのなら、私もそれに付き合うわ」
メリッサの優しさに胸が痛くなる思いだった。メリッサは僕の気持ちを確認したいんだな。
「わかったよ。偽りない僕の気持ちを言う。エリシモさんを助けたいというのは本当だ。でもそれは愛情とかじゃない。シドが捕まったとしても僕は助けに行くよ。それと同じ気持ちなんだ。大切な人ではあるけど、恋愛とかじゃないんだ」
「うん」
「それに、みんなはまだ戦艦をその目で見ていないからわかっていないと思うけど、あれは本当に危険なものなんだ。オーケンみたいな奴に渡しちゃいけない。そして……」
僕は言葉を区切って周囲を確認した。それから、大切なことを仲間に打ち明ける。
「帝国にだって渡しちゃいけない代物だ」
デザートホークスたちの瞳がキラリと輝いた気がした。
「つまり、私らでいただいちゃおうって話か?」
ララベルが興奮したように立ち上がる。
「いやいや、あんなものは壊しちゃった方がいいんだよ。僕は壊れた残骸から使える部品を拾い集めたいだけ」
シドが嬉しそうに僕の肩を叩いた。
「お前って奴は、いつからそんな悪ガキに育ったんだ? つい最近まであんなにかわいかったのによぉ!」
「成長期真っ盛りだからね。それでどうする、みんなは協力してくれるかな?」
みんなは武器をもって立ち上がってくれた。
「あ、いいところに帰ってきたね。ちょうどソーセージが焼けたよ」
リタが串にささった大きなソーセージを突き出してきた。肉汁が溢れて、つやつやと光るソーセージは空っぽのお腹に何とも魅力的だ。僕は串を受け取りながら状況を説明した。
「というわけでカジンダスが裏切った。第二皇女のエリシモさんが人質になっているんだ。戦艦を奪い返すからみんなにも協力してほしい」
ミレアは口をとがらせて文句を言う。
「だけどさあ、帝国に対する反逆でしょう? 私たちが手を貸す義理なんてないじゃない?」
「いや、オーケンは危険な男だ。あんなのに戦艦を好きに使わせたら世界は大混乱に陥るよ」
シドは腕を組んで頷く。
「怪物には名刀を見せるな、って昔から言うからなあ……」
メリッサは僕を見つめた。
「エリシモという皇女のため?」
「それだけじゃないさ」
否定したけどメリッサは引き下がらなかった。その表情には戸惑いの色が現れている。少しだけ言葉を探すような顔つきをした後で、メリッサは意を決して僕に訊ねてきた。
「でも、あの皇女とキスをしたのでしょう?」
メリッサの言葉にみんなの視線が僕に集まった。
「な、なんでそれを……」
「ダンジョンで野営をしていたときにセラたちの会話が聞こえてしまったの」
エリシモさんが僕を訪ねてきた晩のことか。
「でもあれは――」
「わかっている。セラが望んでしたことじゃないって……。お願い、セラの本当の気持ちを聞かせて。正直に打ち明けてくれたら、その答えが何であれ私はセラに協力する。もしセラがあの皇女を助けるために命を懸けるのなら、私もそれに付き合うわ」
メリッサの優しさに胸が痛くなる思いだった。メリッサは僕の気持ちを確認したいんだな。
「わかったよ。偽りない僕の気持ちを言う。エリシモさんを助けたいというのは本当だ。でもそれは愛情とかじゃない。シドが捕まったとしても僕は助けに行くよ。それと同じ気持ちなんだ。大切な人ではあるけど、恋愛とかじゃないんだ」
「うん」
「それに、みんなはまだ戦艦をその目で見ていないからわかっていないと思うけど、あれは本当に危険なものなんだ。オーケンみたいな奴に渡しちゃいけない。そして……」
僕は言葉を区切って周囲を確認した。それから、大切なことを仲間に打ち明ける。
「帝国にだって渡しちゃいけない代物だ」
デザートホークスたちの瞳がキラリと輝いた気がした。
「つまり、私らでいただいちゃおうって話か?」
ララベルが興奮したように立ち上がる。
「いやいや、あんなものは壊しちゃった方がいいんだよ。僕は壊れた残骸から使える部品を拾い集めたいだけ」
シドが嬉しそうに僕の肩を叩いた。
「お前って奴は、いつからそんな悪ガキに育ったんだ? つい最近まであんなにかわいかったのによぉ!」
「成長期真っ盛りだからね。それでどうする、みんなは協力してくれるかな?」
みんなは武器をもって立ち上がってくれた。