「シド、今日のルートは記録してある?」
「もちろんだ。これでいつでも地下八階に行けるぜ」
さすがはシドだ。ことマッピングについてなら誰よりも頼りになる。
「黒い刃のメリッサ!」
パミューさんがまたもやメリッサを呼び出していた。
「……」
メリッサはもう慣れたといった感じで、無言で命令を待っている。
「下の様子を見てくるんだ」
また嫁いびりをしているな。
「メリッサ、一緒に行こう」
僕が声をかけるとパミューさんが激高した。
「私はメリッサに命令しているんだ!」
「だけど、今のメリッサはデザートホークスの臨時メンバーです。だから僕も一緒に行きますよ」
そんな僕を見てオーケンが余計な口を挟む。
「おうおう、自分の女にカッコいいところを見せたいわけだ。ガキが色気づきやがって」
「仲間のためだ。指名されたのが他のメンバーだったとしても僕は一緒に行くよ」
僕は横目でにらみながらオーケンに言い返した。
「お姉さま、ここは二人に行かせましょう」
エリシモさんもとりなそうとしてくれた。
「ふん、勝手にしろ!」
パミューさんは不貞腐れたように言い放った。
僕はフレキシブルスタッフを、メリッサは氷狼の剣を構えながらゆっくりと階段を下りた。調査隊のメンバーでこの先の状況を知る者は一人もいない。完全な未知の領域である。どんな魔物が生息しているかもわからないので、僕たちは慎重に足を運んだ。
薄暗いダンジョンの奥から腹にこたえるような唸り声が聞こえてきた。しかも一つではない。
「三体いる」
「うん、メリッサは右側をお願い。僕は中央を叩くよ」
「了解」
簡単な段取りだけで僕たちは打ち合わせを終了する。メリッサが相棒なら詳細な戦術は要らない。戦いの中ならお互いの考えていることはすぐに通じ合ってしまうのだ。
通路の奥から現れたのは全長が4メートルほどある四つ足のモンスターだった。ライオンの身体に人面を持ち、尾には針が無数に生えている。
「性格の悪そうな顔だけどオーケンほどじゃないな」
「もちろんだ。これでいつでも地下八階に行けるぜ」
さすがはシドだ。ことマッピングについてなら誰よりも頼りになる。
「黒い刃のメリッサ!」
パミューさんがまたもやメリッサを呼び出していた。
「……」
メリッサはもう慣れたといった感じで、無言で命令を待っている。
「下の様子を見てくるんだ」
また嫁いびりをしているな。
「メリッサ、一緒に行こう」
僕が声をかけるとパミューさんが激高した。
「私はメリッサに命令しているんだ!」
「だけど、今のメリッサはデザートホークスの臨時メンバーです。だから僕も一緒に行きますよ」
そんな僕を見てオーケンが余計な口を挟む。
「おうおう、自分の女にカッコいいところを見せたいわけだ。ガキが色気づきやがって」
「仲間のためだ。指名されたのが他のメンバーだったとしても僕は一緒に行くよ」
僕は横目でにらみながらオーケンに言い返した。
「お姉さま、ここは二人に行かせましょう」
エリシモさんもとりなそうとしてくれた。
「ふん、勝手にしろ!」
パミューさんは不貞腐れたように言い放った。
僕はフレキシブルスタッフを、メリッサは氷狼の剣を構えながらゆっくりと階段を下りた。調査隊のメンバーでこの先の状況を知る者は一人もいない。完全な未知の領域である。どんな魔物が生息しているかもわからないので、僕たちは慎重に足を運んだ。
薄暗いダンジョンの奥から腹にこたえるような唸り声が聞こえてきた。しかも一つではない。
「三体いる」
「うん、メリッサは右側をお願い。僕は中央を叩くよ」
「了解」
簡単な段取りだけで僕たちは打ち合わせを終了する。メリッサが相棒なら詳細な戦術は要らない。戦いの中ならお互いの考えていることはすぐに通じ合ってしまうのだ。
通路の奥から現れたのは全長が4メートルほどある四つ足のモンスターだった。ライオンの身体に人面を持ち、尾には針が無数に生えている。
「性格の悪そうな顔だけどオーケンほどじゃないな」