大あくびをしていると、シドがカフェオレをなみなみと注いだマグカップをくれた。
「また徹夜か?」
「新しい武器を作っていたんだよ。ほら、鮫噛剣はオーケンの奴に壊されちゃったから」
「あれほどオーケンにはかまうなと言ったのに困った奴だ。今度はどんな武器を作ったんだ? 見せてみろよ」
「これ……」
僕が取り出したのはボールペンより少し太い、万年筆サイズの杖だ。魔法学校に通う、額に傷がある少年が使う杖よりもだいぶ短い。
「これが武器?」
「うん。フレキシブルスタッフって名前を付けた」
魔力を込めながら軽く杖をふると杖が光り、一気に200㎝まで伸びた。太さも直径3㎝強になっている。
「うおっ! なんだこりゃ?」
「最初は刃こぼれしても自動修復する剣を作ろうと思ったんだよ。でも、どうやっても形状を固定できなくてさ。明け方までかかったようやく棒の形にだけは固定することができたんだ」
さすがは古代文明の特殊合金だ。解析はできたと思っていたのだけど、一晩で再現するのは難しかったのだ。おかげで剣はできずに孫悟空の如意棒みたいなものができ上ってしまったわけだ。
ただ、これはこれで便利な武器である。長さは10mくらいまで伸びるし、太さも直径10㎝までは変えられる。ある程度強度も調整できるので、しならせることだって可能なのだ。杖や棍の闘神に技を習えば新境地を開けるかもしれない。
「またみょうちくりんな武器を作りやがって……、どれちょっと貸してみろ」
「重さは16㎏あるから気を付けてね」
「ゲッ、腰を痛めちまうじゃねえか!」
シドは差し出した手を引っ込めた。一般的な剣や槍の重さは1㎏―3㎏くらいである。それに比べたらこの武器の重さは破格なのだ。その代わり破壊力も抜群である。
「馬鹿力のセラ以外には使えない武器だな」
大抵の武器ならへし折る自信がある。こんどオーケンの奴が因縁をつけてきたら、もう一本の剣も破壊してやるつもりだ。お姫様たちの朝食を届けに行ったときに確認したけど、奴は予備の剣を下げていた。
「また徹夜か?」
「新しい武器を作っていたんだよ。ほら、鮫噛剣はオーケンの奴に壊されちゃったから」
「あれほどオーケンにはかまうなと言ったのに困った奴だ。今度はどんな武器を作ったんだ? 見せてみろよ」
「これ……」
僕が取り出したのはボールペンより少し太い、万年筆サイズの杖だ。魔法学校に通う、額に傷がある少年が使う杖よりもだいぶ短い。
「これが武器?」
「うん。フレキシブルスタッフって名前を付けた」
魔力を込めながら軽く杖をふると杖が光り、一気に200㎝まで伸びた。太さも直径3㎝強になっている。
「うおっ! なんだこりゃ?」
「最初は刃こぼれしても自動修復する剣を作ろうと思ったんだよ。でも、どうやっても形状を固定できなくてさ。明け方までかかったようやく棒の形にだけは固定することができたんだ」
さすがは古代文明の特殊合金だ。解析はできたと思っていたのだけど、一晩で再現するのは難しかったのだ。おかげで剣はできずに孫悟空の如意棒みたいなものができ上ってしまったわけだ。
ただ、これはこれで便利な武器である。長さは10mくらいまで伸びるし、太さも直径10㎝までは変えられる。ある程度強度も調整できるので、しならせることだって可能なのだ。杖や棍の闘神に技を習えば新境地を開けるかもしれない。
「またみょうちくりんな武器を作りやがって……、どれちょっと貸してみろ」
「重さは16㎏あるから気を付けてね」
「ゲッ、腰を痛めちまうじゃねえか!」
シドは差し出した手を引っ込めた。一般的な剣や槍の重さは1㎏―3㎏くらいである。それに比べたらこの武器の重さは破格なのだ。その代わり破壊力も抜群である。
「馬鹿力のセラ以外には使えない武器だな」
大抵の武器ならへし折る自信がある。こんどオーケンの奴が因縁をつけてきたら、もう一本の剣も破壊してやるつもりだ。お姫様たちの朝食を届けに行ったときに確認したけど、奴は予備の剣を下げていた。