地下六階で大量の素材を集めた僕らはそのまま地下七階へと突入した。ここはゴーレムが徘徊する階層なんだけど、敵はいるのだろうか? というのも、ここにいたゴーレムは僕たちがあらかた捕まえて改造してしまったからだ。
数にしておよそ百五十。その大戦力をもって聖杯を守るタロスや十二闘神たちと戦ったという経緯がある。ひょっとしたら敵はもういないかもしれないと考えたのはそういうわけだった。
ところが、予想に反して僕たちに襲い掛かる敵はいた。
「セラ、タンク型の音が東から聞こえてくるぜ」
大地に耳をつけながらシドが教えてくれる。
「ほんとに? よし、警戒しながら行ってみよう」
タンク型は荷物を運ぶのに便利である。一人一台欲しかったけど、もういないかもと心配していたところだ。ゴーレムも他の魔物と同じように、どこからか補充されるようだった。本当にダンジョンとは不思議なところだ。
壁から覗くと、道の中央をタンク型のゴーレムがやってくるのが見えた。
「アタシがいくよ」
ララベルがずいっと前に出る。
「大丈夫?」
「こいつがあるから平気さ」
ララベルは右手の人差し指一本で器用にボーラは回して見せた。ゴーレムの弱点は頭部への雷撃である。この武器は長時間にわたって放電できるので対ゴーレムという点ではうってつけなのだ。
「まあ見ていてくれよ」
ララベルは通路の中央に飛び出し、仁王立ちでタンクを待ち構えた。タンクの方も対人センサーでララベルの存在を察知したようだ。クローラーのスピードを上げて迫ってくる。
ヒュンヒュンと唸るボーラの音がタンクの振動音にかき消されていく。だがララベルは動かない。落ち着いて奴との距離を測っているのだ。そして、タンクがアームを上げようとしたその時にララベルはボーラの紐を手から放った。
バチッバチッバチッバチッ!
ボーラがタンクの頭に絡みつくと同時に、大きな音を立てながら雷撃が弾ける。タンクの頭部から白い煙が上がり、ダンジョンの通路に焦げ臭い匂いが充満した。
「一丁上がりっ!」
ララベルがニヘラッと笑い、親指を立ててくる。
「お疲れさん、完璧だったよ」
「そうか? アタシも投擲手として一皮むけたかもね」
ララベルには休んでもらって、僕は壊れたタンクのスキャンを始めた。
「どうだ、セラ?」
シドが僕のそばでタンクの状態を確認している。本当に活動を停止したのか自分の目で確かめているのだ。こういう念の入れようは、さすがはベテラン斥候だと思う。
数にしておよそ百五十。その大戦力をもって聖杯を守るタロスや十二闘神たちと戦ったという経緯がある。ひょっとしたら敵はもういないかもしれないと考えたのはそういうわけだった。
ところが、予想に反して僕たちに襲い掛かる敵はいた。
「セラ、タンク型の音が東から聞こえてくるぜ」
大地に耳をつけながらシドが教えてくれる。
「ほんとに? よし、警戒しながら行ってみよう」
タンク型は荷物を運ぶのに便利である。一人一台欲しかったけど、もういないかもと心配していたところだ。ゴーレムも他の魔物と同じように、どこからか補充されるようだった。本当にダンジョンとは不思議なところだ。
壁から覗くと、道の中央をタンク型のゴーレムがやってくるのが見えた。
「アタシがいくよ」
ララベルがずいっと前に出る。
「大丈夫?」
「こいつがあるから平気さ」
ララベルは右手の人差し指一本で器用にボーラは回して見せた。ゴーレムの弱点は頭部への雷撃である。この武器は長時間にわたって放電できるので対ゴーレムという点ではうってつけなのだ。
「まあ見ていてくれよ」
ララベルは通路の中央に飛び出し、仁王立ちでタンクを待ち構えた。タンクの方も対人センサーでララベルの存在を察知したようだ。クローラーのスピードを上げて迫ってくる。
ヒュンヒュンと唸るボーラの音がタンクの振動音にかき消されていく。だがララベルは動かない。落ち着いて奴との距離を測っているのだ。そして、タンクがアームを上げようとしたその時にララベルはボーラの紐を手から放った。
バチッバチッバチッバチッ!
ボーラがタンクの頭に絡みつくと同時に、大きな音を立てながら雷撃が弾ける。タンクの頭部から白い煙が上がり、ダンジョンの通路に焦げ臭い匂いが充満した。
「一丁上がりっ!」
ララベルがニヘラッと笑い、親指を立ててくる。
「お疲れさん、完璧だったよ」
「そうか? アタシも投擲手として一皮むけたかもね」
ララベルには休んでもらって、僕は壊れたタンクのスキャンを始めた。
「どうだ、セラ?」
シドが僕のそばでタンクの状態を確認している。本当に活動を停止したのか自分の目で確かめているのだ。こういう念の入れようは、さすがはベテラン斥候だと思う。