準備に三日間を費やし、ようやくダンジョン探索は開始された。タンクが三台もあるので、込み合う朝の時間を避けて出発は昼近くにする。そのぶんダンジョンの中の魔結晶は拾われてしまうのだけど、僕らが目指すのは奥地だ。魔結晶集めは下の階層に着いてからゆっくりやればいい。
「今日中に地下五階まで行くからね」
「おーっ!」
デザートホークス++メリッサは元気よく進みだした。
低階層では主にララベルに戦闘の中心を担ってもらった。これでも僕らはエルドラハ屈指のトップチームだ。僕の戦闘力判定はAプラス、ミレアはA、リタがBマイナスで、シドはCプラスになっている。いちばん低いのはララベルのDプラスだけど、まだ若いから伸びしろはたくさんあるのだ。
「今回の探索で経験値を上げてね」
「おう、トップはアタシに任せておけ」
張り切るララベルに新装備をプレゼントした。固有ジョブが投擲手であるララベルには、これまでマジックグレネードという武器を支給していた。だけど、こちらは消耗品である。使うたびに作らなくてはならないし、作るにはバカにならない量の赤晶が必要になるのだ。
そこで、僕とお財布にもっと優しい武器にしようと、新開発したのがこちらの武器だった。
「投げナイフ? と、これはなんだ?」
「アメリカンクラッカー。正式にはボーラって名前の武器だったかな?」
ボーラは紐に二個ないし三個の金属球がついた武器だ。もともとは狩猟用の道具として開発されたようである。
「これはどうやって使うんだ?」
「ロープの中心を持って、頭の上で振り回すんだよ」
ララベルは言われたとおりにボーラを回転させる。
「そうそう、うまいぞ。そして十分に加速が付いたら標的に投げ付けるんだ」
「こうか?」
ララベルは道に突き出ていた石柱にボーラを投げつけた。投擲されたボーラは遠心力で広がった状態で回転しながら飛び、標的となった石柱にあたって絡みつく。さらに鉄球が強い衝撃で石柱にあたると内部の装置が起動して放電までした。
「すげーっ!」
「地下七階のゴーレムを捕まえるために開発したんだよ。鉄球に紫晶を詰めかえれば何度だって使えるんだ。投げナイフも特に切れ味を鋭く作ってある。普段はこちらで戦ってみてね」
「ありがとう、セラ。これでアタシもレベルアップだ!」
投擲手は命中や飛距離に補正がつく。どちらもララベルにぴったりの武器と言えた。
「今日中に地下五階まで行くからね」
「おーっ!」
デザートホークス++メリッサは元気よく進みだした。
低階層では主にララベルに戦闘の中心を担ってもらった。これでも僕らはエルドラハ屈指のトップチームだ。僕の戦闘力判定はAプラス、ミレアはA、リタがBマイナスで、シドはCプラスになっている。いちばん低いのはララベルのDプラスだけど、まだ若いから伸びしろはたくさんあるのだ。
「今回の探索で経験値を上げてね」
「おう、トップはアタシに任せておけ」
張り切るララベルに新装備をプレゼントした。固有ジョブが投擲手であるララベルには、これまでマジックグレネードという武器を支給していた。だけど、こちらは消耗品である。使うたびに作らなくてはならないし、作るにはバカにならない量の赤晶が必要になるのだ。
そこで、僕とお財布にもっと優しい武器にしようと、新開発したのがこちらの武器だった。
「投げナイフ? と、これはなんだ?」
「アメリカンクラッカー。正式にはボーラって名前の武器だったかな?」
ボーラは紐に二個ないし三個の金属球がついた武器だ。もともとは狩猟用の道具として開発されたようである。
「これはどうやって使うんだ?」
「ロープの中心を持って、頭の上で振り回すんだよ」
ララベルは言われたとおりにボーラを回転させる。
「そうそう、うまいぞ。そして十分に加速が付いたら標的に投げ付けるんだ」
「こうか?」
ララベルは道に突き出ていた石柱にボーラを投げつけた。投擲されたボーラは遠心力で広がった状態で回転しながら飛び、標的となった石柱にあたって絡みつく。さらに鉄球が強い衝撃で石柱にあたると内部の装置が起動して放電までした。
「すげーっ!」
「地下七階のゴーレムを捕まえるために開発したんだよ。鉄球に紫晶を詰めかえれば何度だって使えるんだ。投げナイフも特に切れ味を鋭く作ってある。普段はこちらで戦ってみてね」
「ありがとう、セラ。これでアタシもレベルアップだ!」
投擲手は命中や飛距離に補正がつく。どちらもララベルにぴったりの武器と言えた。