「構わんぞ。欲しいものがあれば、私が何でも買ってやろう。頑張ったご褒美だ」
「え、本当ですか?」
「ふふふ、もちろんだとも」
パミューさんは立ち上がって僕の頭をなでた。なんだか子ども扱いで嫌だけど、彼女も悪気があってのことじゃなさそうだ。仕方がないからじっとしておく。
「ところで、僕はいつ頃帰ることになりますか? 生鮮食品が欲しいのですが、帰る直前にタイミングを合わせて買いたいんですよね」
「帰るだと?」
パミューさんはポカンとした顔をしている。
「そうですよ。エルドラハに帰る日の話です」
「いや、その必要はないぞ」
「どうしてですか?」
「セラは今回の功績で帝国市民権を得るのだ。いや、上級国民権を与えたっていい。各種の優遇が得られる特別な階級だぞ」
そう言えばプラッツェルがそんな話をしていたな。僕にとってはどうでもいいものだけど。
「でもエルドラハが僕の故郷ですから。じゃあ帝国市民権だけいただいて帰ります」
「それはダメだ」
「どうして?」
「セラはここに残って私の従者になるのだ。お前なら立派に勤められるだろう。もう少し年齢が上がったらしかるべき地位につけてやる。栄耀栄華は思いのままだぞ。だからこのままグローサムに残れ」
何を勝手なことを言っているんだ? 僕はそんなものを望んでいない。
「このような場所で窮屈な生活をするのは嫌です。僕を砂漠に帰してもらえませんか?」
パミューさんの顔から笑顔が消えた。
「よく考えろ、セラ。エブラダ帝国では誰もが私に取り入り、その庇護の下に入りたいと望むのだ。そうなれば一生安泰に暮らせるのだぞ」
「まあ、そうでしょうね」
「私はお前が気に入っている。治癒の腕前に料理の腕前、いずれも天下一級のものだ。この私にこそふさわしい」
「要するに僕をペットにしたいってことですか?」
僕の言葉に一瞬だけ怯んだパミューさんだったけど、ニヤリと笑ってから頷いた。
「ありていに言えばそう言うことだ。セラ、私はお前が欲しいのだ」
やれやれ、困ったお姫様である。だが勘違いしないでほしい。砂漠の鷹は誰にも飼い慣らせるもんじゃない。
「お断りします」
「え、本当ですか?」
「ふふふ、もちろんだとも」
パミューさんは立ち上がって僕の頭をなでた。なんだか子ども扱いで嫌だけど、彼女も悪気があってのことじゃなさそうだ。仕方がないからじっとしておく。
「ところで、僕はいつ頃帰ることになりますか? 生鮮食品が欲しいのですが、帰る直前にタイミングを合わせて買いたいんですよね」
「帰るだと?」
パミューさんはポカンとした顔をしている。
「そうですよ。エルドラハに帰る日の話です」
「いや、その必要はないぞ」
「どうしてですか?」
「セラは今回の功績で帝国市民権を得るのだ。いや、上級国民権を与えたっていい。各種の優遇が得られる特別な階級だぞ」
そう言えばプラッツェルがそんな話をしていたな。僕にとってはどうでもいいものだけど。
「でもエルドラハが僕の故郷ですから。じゃあ帝国市民権だけいただいて帰ります」
「それはダメだ」
「どうして?」
「セラはここに残って私の従者になるのだ。お前なら立派に勤められるだろう。もう少し年齢が上がったらしかるべき地位につけてやる。栄耀栄華は思いのままだぞ。だからこのままグローサムに残れ」
何を勝手なことを言っているんだ? 僕はそんなものを望んでいない。
「このような場所で窮屈な生活をするのは嫌です。僕を砂漠に帰してもらえませんか?」
パミューさんの顔から笑顔が消えた。
「よく考えろ、セラ。エブラダ帝国では誰もが私に取り入り、その庇護の下に入りたいと望むのだ。そうなれば一生安泰に暮らせるのだぞ」
「まあ、そうでしょうね」
「私はお前が気に入っている。治癒の腕前に料理の腕前、いずれも天下一級のものだ。この私にこそふさわしい」
「要するに僕をペットにしたいってことですか?」
僕の言葉に一瞬だけ怯んだパミューさんだったけど、ニヤリと笑ってから頷いた。
「ありていに言えばそう言うことだ。セラ、私はお前が欲しいのだ」
やれやれ、困ったお姫様である。だが勘違いしないでほしい。砂漠の鷹は誰にも飼い慣らせるもんじゃない。
「お断りします」