他の闘神も調べたけど戦闘力判定はすべてAだった。こちらのゴーレムは一五〇体だけど、そのほとんどがBかC判定である。戦力としてはほぼ拮抗か……。個の力よりは組織力だと思いたいけど、相手は一二体だ。それにタロスという大物も控えている。

スキル『スキャン』発動。

 対象:タロス 全長四メートル一二センチ

 格闘技のマスター 武器は持たず、己の肉体のみで闘う

 絶縁体コーティングされており、他のゴーレムに比べ電撃攻撃が効きにくい。

 戦闘力判定:S



 戦闘力判定はSでAプラスの僕やメリッサを凌駕する。SとAの間にははたしてどれくらいの差があるのだろうか? 仲間たちと最終的な戦略をたてるために、僕らはそっと引き返した。



   ◇



 戦闘前にスキル『料理』を使って、能力の上がるランチを作った。とっておきの金晶を配合して、全体的なステータスアップを望めるフカヒレスープだ。効果の持続は二時間だけど僕の戦闘力判定はSマイナスまで上がっている。これならいけるだろう。



 戦いは昼から始まった。僕らがとった戦術は単純だ。敵を複数で囲み各個撃破する、である。この作戦のキモは、ただでさえ強い敵を連携させないに尽きる。よって、戦力の逐次投入はない。僕らは聖杯の間に配下のゴーレムたちを一気に突入させた。

 戦いに当たり、デザートホークスや黒い刃の武器にはすべて雷属性を付与した。頭部に絶縁体コーティングがされているとはいえ、ゴーレムの弱点は雷撃に他ならない。数の力で身動きを取れなくして、地道に雷撃を叩き込むのが手っ取り早い。

 だが十二闘神は強く、戦いは難航した。先陣を切ったポピュラーナイトが次々と討ち取られていく中で、ようやく僕のサンダーウィップが杖の闘神の首に巻きつく。すかさず最大容量の電撃を送ると杖の闘神の動きが鈍くなった。

「今だ!」

 シドのマテリアルクロスボウがサンダーボルトを連射する。続いて躍り上がったリタの剣が紫電を放ちながら杖の闘神の眉間を傷つけた。バリバリと音が鳴り響き、杖の闘神の巨体が前のめりで沈んだ。

「リタ、怪我はない?」

「私は大丈夫。それよりも次を!」