騎兵というのは機動力と破壊力で恐れられる兵種だ。ただし防御力が低いのが難点とされている。特に馬への攻撃に弱い。鎧で防備を固めた騎馬もあるけれど、その場合は機動力が失われる。ところがこのポピュラーナイトは馬も人も金属製だ。
はっきり言って無敵じゃないのか? 魔法は使えないようだけど、トップスピードから振るわれる槍は恐ろしい。こんなのが何体もいたら全滅は必至だ。ただ雷撃というのはゴーレムに共通する弱点のようでもある。だったらそこをうまくついていこう。
僕はそっと仲間の元へ戻った。
「攻略できそうか?」
シドが身を寄せてくる。
「何とかなると思うよ。新しい武器が必要だけど……」
「その程度で何とかなるのか?」
「やるだけやってみる」
その日の探索はそこまでにして、僕らは安全地帯を構築して休憩した。みんなが宿営や食事の準備をしてくれている間に、僕は新しい武器を作成する。
最初に用意するのは特殊なワイヤーだ。これは鮫噛剣にも使われているもので、魔力を流すと伸び縮みする。このワイヤーを何本も編み込んで太いロープを作った。それを紫晶と黒晶などを組み込んだ柄に取り付けていく。
「新しい武器って鞭のことなの? ずいぶんと短いわね」
大きな鍋を抱えたリタがやってきた。鍋の中ではゆでたてのトウモロコシが湯気を上げている。
「短くないさ。こんなふうに使うんだ」
振り下ろすと同時に魔力を込めると七〇センチくらいしかなかった鞭は五メートルほど伸びて壁を弾いた。
「すごい!」
「理論値で言うと最大で三〇〇メートルは伸びるんだよ。そのぶん魔力は膨大になってしまうし、鞭の直径も細くなっちゃうけどね」
そうなれば攻撃力は皆無となる。
「これでゴーレムを捕まえられるの?」
「うん。ここにボタンがついているでしょう? ここを押し込むと……」
ワイヤー部分に強い雷撃が流れた。
「あらステキな武器じゃない。迷宮の女王たる私にふさわしいわ」
ミレアはまだ言っている。
「これは僕が使うから駄目だよ。ミレアを危険な目に遭わすわけにはいかないよ」
「まあ? さすがは私の覇王様!」
ミレアのためだけを思って言っているわけじゃないんだけどね。僕は自分の手でゴーレムを捕まえてみたいだけだ。
はっきり言って無敵じゃないのか? 魔法は使えないようだけど、トップスピードから振るわれる槍は恐ろしい。こんなのが何体もいたら全滅は必至だ。ただ雷撃というのはゴーレムに共通する弱点のようでもある。だったらそこをうまくついていこう。
僕はそっと仲間の元へ戻った。
「攻略できそうか?」
シドが身を寄せてくる。
「何とかなると思うよ。新しい武器が必要だけど……」
「その程度で何とかなるのか?」
「やるだけやってみる」
その日の探索はそこまでにして、僕らは安全地帯を構築して休憩した。みんなが宿営や食事の準備をしてくれている間に、僕は新しい武器を作成する。
最初に用意するのは特殊なワイヤーだ。これは鮫噛剣にも使われているもので、魔力を流すと伸び縮みする。このワイヤーを何本も編み込んで太いロープを作った。それを紫晶と黒晶などを組み込んだ柄に取り付けていく。
「新しい武器って鞭のことなの? ずいぶんと短いわね」
大きな鍋を抱えたリタがやってきた。鍋の中ではゆでたてのトウモロコシが湯気を上げている。
「短くないさ。こんなふうに使うんだ」
振り下ろすと同時に魔力を込めると七〇センチくらいしかなかった鞭は五メートルほど伸びて壁を弾いた。
「すごい!」
「理論値で言うと最大で三〇〇メートルは伸びるんだよ。そのぶん魔力は膨大になってしまうし、鞭の直径も細くなっちゃうけどね」
そうなれば攻撃力は皆無となる。
「これでゴーレムを捕まえられるの?」
「うん。ここにボタンがついているでしょう? ここを押し込むと……」
ワイヤー部分に強い雷撃が流れた。
「あらステキな武器じゃない。迷宮の女王たる私にふさわしいわ」
ミレアはまだ言っている。
「これは僕が使うから駄目だよ。ミレアを危険な目に遭わすわけにはいかないよ」
「まあ? さすがは私の覇王様!」
ミレアのためだけを思って言っているわけじゃないんだけどね。僕は自分の手でゴーレムを捕まえてみたいだけだ。