そこらへんは僕の知っているヴァンパイアと同じなんだな。
「ところで、何で少年の血ばかりを吸っていたんですか?」
「好物だから。ショタコンなんだよね、私」
ストレートなカミングアウト! 気持ちのいいほどに悪びれたところがまったくない。
「まあ本当は血なら何でもいいんだけど、性癖に妥協したくないのよね。こだわりの強い女なの」
そんなふうに胸を張られても……。
「それって、少年にとっては迷惑そのものですよ」
「だよねえ。でも、もうしばらくは誰も襲わないわ。必要な分の血は手に入ったから」
「必要な分と言うと?」
「ヴァンパイアは血を吸うとパワーが漲るの。明日から地下七階を探索するから、その準備だったのよ」
あれ、今とんでもないことをさらり言ったよな。
「地下七階ですって! 下り階段の場所を知っているのですか?」
「ええ、探し当てたわ」
僕とメリッサでも探し当てられなかった下り階段の場所をこの人は知っているのか。
「もしかして知りたいの?」
「教えてください!」
「あらあらがっついちゃって……。でも、お姉さん、そういう元気な子は嫌いじゃないな……」
ミレアは値踏みするように僕のことを見つめてくる。ずいぶんとミステリアスな雰囲気をたたえた人だ。
「貴方はたしか、銀の鷹と呼ばれている子よね?」
「らしいですね。自分で名乗った記憶はありません」
「きれいな銀髪ね……。決めた、セラが私の仲間になってくれれば地下七階へ行く階段の場所を教えてあげるわ」
「それはミレアがデザートホークスに入るってこと?」
そう訊くとミレアはぽかんとした顔つきになる。
「私とコンビを組んでほしいって申し出なんだけど」
「じゃあ無理です。僕は今の仲間が大切ですから」
気の合う仲間というのはそうそう得られないと思う。地下七階の入り口は自分たちで探すとしよう。僕は諦めて帰ることにした。ヴァンパイアといっても、ミレアは害のある存在ではなさそうだから、放っておいても大丈夫だろう。
「あんまり少年を襲わないでくださいね。どうしても欲しいときは僕の血を分けてあげますから。それじゃあ」
「えっ……」
立ち去ろうとするとミレアが追ってきた。
「待って! どうしてそんなに優しいの?」
「ところで、何で少年の血ばかりを吸っていたんですか?」
「好物だから。ショタコンなんだよね、私」
ストレートなカミングアウト! 気持ちのいいほどに悪びれたところがまったくない。
「まあ本当は血なら何でもいいんだけど、性癖に妥協したくないのよね。こだわりの強い女なの」
そんなふうに胸を張られても……。
「それって、少年にとっては迷惑そのものですよ」
「だよねえ。でも、もうしばらくは誰も襲わないわ。必要な分の血は手に入ったから」
「必要な分と言うと?」
「ヴァンパイアは血を吸うとパワーが漲るの。明日から地下七階を探索するから、その準備だったのよ」
あれ、今とんでもないことをさらり言ったよな。
「地下七階ですって! 下り階段の場所を知っているのですか?」
「ええ、探し当てたわ」
僕とメリッサでも探し当てられなかった下り階段の場所をこの人は知っているのか。
「もしかして知りたいの?」
「教えてください!」
「あらあらがっついちゃって……。でも、お姉さん、そういう元気な子は嫌いじゃないな……」
ミレアは値踏みするように僕のことを見つめてくる。ずいぶんとミステリアスな雰囲気をたたえた人だ。
「貴方はたしか、銀の鷹と呼ばれている子よね?」
「らしいですね。自分で名乗った記憶はありません」
「きれいな銀髪ね……。決めた、セラが私の仲間になってくれれば地下七階へ行く階段の場所を教えてあげるわ」
「それはミレアがデザートホークスに入るってこと?」
そう訊くとミレアはぽかんとした顔つきになる。
「私とコンビを組んでほしいって申し出なんだけど」
「じゃあ無理です。僕は今の仲間が大切ですから」
気の合う仲間というのはそうそう得られないと思う。地下七階の入り口は自分たちで探すとしよう。僕は諦めて帰ることにした。ヴァンパイアといっても、ミレアは害のある存在ではなさそうだから、放っておいても大丈夫だろう。
「あんまり少年を襲わないでくださいね。どうしても欲しいときは僕の血を分けてあげますから。それじゃあ」
「えっ……」
立ち去ろうとするとミレアが追ってきた。
「待って! どうしてそんなに優しいの?」