「また次の恋愛をしてほしいな。世の中に男は俺だけじゃないし、吉田さんみたいに素敵な女性ならきっとすぐにいいパートナーに
出会えると思うからさ」
「素敵だって言うなら付き合ってくださいよ」
「それは・・・」
前田先生の優しさに付け込んで、悪いことをしてしまっているという自覚はある。だが、今の気持ちがどうしてもやるせなくて
こんな態度になってしまっているのだ。ここまで来たのだから言える限りのことは言ってやろうと思った。
「また、講師室に手伝いに行きますよ。お茶を用意しておいてくれるんですよね?」
「ああ、それはそうだけど・・・どうしたの?」
「そこで頑張っている私を見て、こんないい女を振ったんだって後悔させてやりますから。覚悟してくださいね」
フラれた悔しさからくる精一杯の強がりだった。