「キャラクターが決まったら、次は部屋の外に出てみるっす」
扉を開けて、Kanonが家の外へ出た。
「わ、人がいっぱいいる」
街の中にあふれた何人かの人のうち、一人の男性キャラクターが話しかけてきた。
〈はじめまして、こんにちは〉
「あ、話しかけられたよ。えっと……」
「メッセージ画面を開くっす。LINE打つのと同じようにメッセージを打って送信すると……」
「あ、Kanonが喋った!」
〈はじめまして〉
我ながら可愛いではないか。あたしじゃないけど。今はKanonがあたしだ。
〈僕はRyotaです。お話してもいいですか〉
金髪碧眼、まるで王子様のようなキャラクター。
これは……。
「ケヴィン……」
ケヴィンそっくりなRyotaという男性は、あたしにいくつか質問してきた。
〈この世界は初めてですか?〉
〈どこに住んでいますか?〉
〈どんな仕事をしていますか?〉
〈一人暮らしですか?〉
〈趣味は何ですか?〉
〈好きな食べ物は何ですか?〉
〈どこか行きたい場所はありますか?〉
〈おすすめの漫画やアニメはありますか?〉
〈好きなゲームはありますか?〉
〈コミケ行ったことありますか?〉
「ちょ……」
そんなに一気に言われても追いつかんのですが。
「こいつ、多分人の話聞かないタイプっすね」
「……そうだね」
ケヴィンと同じ顔して、やってくれるじゃねえか。
「ねえ、これ逃げるときどうやるの?」
「休憩ボタンがあるからそれを押すと無難なメッセージでフェードアウトできるっす」
「無難なメッセージ?」
「『ちょっとトイレ』とか『仕事の電話が入った』とか。任意でオリジナルのメッセージも送れるっす」
「なるほど」
扉を開けて、Kanonが家の外へ出た。
「わ、人がいっぱいいる」
街の中にあふれた何人かの人のうち、一人の男性キャラクターが話しかけてきた。
〈はじめまして、こんにちは〉
「あ、話しかけられたよ。えっと……」
「メッセージ画面を開くっす。LINE打つのと同じようにメッセージを打って送信すると……」
「あ、Kanonが喋った!」
〈はじめまして〉
我ながら可愛いではないか。あたしじゃないけど。今はKanonがあたしだ。
〈僕はRyotaです。お話してもいいですか〉
金髪碧眼、まるで王子様のようなキャラクター。
これは……。
「ケヴィン……」
ケヴィンそっくりなRyotaという男性は、あたしにいくつか質問してきた。
〈この世界は初めてですか?〉
〈どこに住んでいますか?〉
〈どんな仕事をしていますか?〉
〈一人暮らしですか?〉
〈趣味は何ですか?〉
〈好きな食べ物は何ですか?〉
〈どこか行きたい場所はありますか?〉
〈おすすめの漫画やアニメはありますか?〉
〈好きなゲームはありますか?〉
〈コミケ行ったことありますか?〉
「ちょ……」
そんなに一気に言われても追いつかんのですが。
「こいつ、多分人の話聞かないタイプっすね」
「……そうだね」
ケヴィンと同じ顔して、やってくれるじゃねえか。
「ねえ、これ逃げるときどうやるの?」
「休憩ボタンがあるからそれを押すと無難なメッセージでフェードアウトできるっす」
「無難なメッセージ?」
「『ちょっとトイレ』とか『仕事の電話が入った』とか。任意でオリジナルのメッセージも送れるっす」
「なるほど」