〈すみません、男装は元々趣味で。別に恋愛対象が女の子というわけではなくてですね。僕、あ、私は背が170あるので、男に良く間違えられるんです。まさかケヴィンファンの女性がいるとは思わなくて。期待させてしまってたらごめんなさい〉


「あう〜〜」

期待しましたよ。めちゃくちゃ。

まさか、女性だったなんて。

そういうサプライズもありだけどさ。


ここでは使ってほしくなかったよ。

「奏音さん、あと二人ですけど。次どっちにします?」

「えっと……声がケヴィンの人」
「性格がケヴィンって言ってた人は?」
「ああ、その人はもういいや。何か良くわからなくなってきたし」
「だいぶ見るべきところ絞り込めてきたっすね」

声がケヴィンの人。


ケヴィンの声って、やや低めで甘くてちょっとシルキーでセクシーというか。

色気があるんだよね。

あんな声で囁かれたらもう、たまんないよ。

ずっとそばにいてほしいって思う。

「あ……」