「おや。夢見が悪そうだったが、大丈夫そうじゃな。」


身体を起こすと、マジが話しかけてきた。
片手にはワインの入ったグラスを持っている。
開いた窓からは月光が差し込んでいる。


「ご老体には、気を使ったほうがいい。この時間に飲んで、朝になって二日酔いにならないとは限らないし。」


マジは「ワシの身体は丈夫だから大丈夫じゃ」と根拠の無い理屈を並べて、ワインを飲んでいる。
急性アルコール中毒とか面倒なことにならなければいいのだが。
ため息をつきながら、私はさっきの夢のことを考える。
本当に懐かしい夢だった。
最近は見なかったのに。