「ふうーん」
最音さんは腕組みをして、少し考えるような顔をしてからふふっといたずらっぽく笑って言った。
「どうせなら、召使いじゃなくて騎士(ナイト)にしてよ。二人組の騎士を従えてるなんて、氷の女王にぴったりじゃない」
「え、二人組?」
思わず反応してつぶやいてしまったのはぼくで、そのぼくを見て、剛がにやりと笑う。
「もちろん喜んで。なあ、明日太」
「え、なんでぼくまで」
「いいだろ、三銃士みたいでかっこいいじゃん」
「ぼくは志願してないし、銃士と騎士はちょっと違うだろ」
「同じようなもんだろ」
わけのわからない言い合いをしているぼくらを、両親が不思議そうに眺めている。最音さんは、まあまあ、となぜかぼくらの間に入り、ぼくらをなだめる役割に回って言った。
「女王の護衛、仲良くよろしくね。二人組の騎士さん」
その日から、剛とぼくは、氷の女王の護衛をする騎士ということになった。