君はいつも言ったね。
「君は本当に素直で元気で、敵無しって感じ。」
そっか、そう見えてるんだね。毎回嬉しくてえへへって笑っちゃって。でも君は、笑顔を見るといつも笑ってくれなくなる。多分、笑顔が不細工とかそういう意味じゃなくて垣間見える"ホンモノ"を知っているんだろうな。笑顔なんて、作ってればいいと思っていたのに。

何度君に好きと言っただろう。
君はきっと、告白なんてなかった事のように、思い出を語るんだろうな。

1度目の告白は塾の帰り。
真っ暗な田舎道をふたりで帰って、いつもならバイバイする十字路で「あのさ、ずっと言おうと思って…たんだけど………す、好きなんだよね、君のこと」
君には案の定断られる。多分、断られた。
第一声は「頑張ったね」だったし、そういうところも含めて好きなんだけど。
その後も適当にはぐらかされて、バイバイってして、やっぱり泣いてしまった。どうしても、好きだったし、諦めるなんて知らなかった。
2回目は手紙だったな。
渡してから、すぐに振られた。
もっとこもった言い方をしてくれても、良かったんじゃないか。
3回目以降は毎日君が好きだって言った。
大きな声で名前を呼んだのも、毎日目が合って手を振ったのも、忘れて欲しくなかった。
もう二度と、だれかに忘れ去られて、忘れたくせにじわじわと殺されるなんて、惨い仕打ちは受けたくなかった。いつも全力で好きだって伝えた。

一緒になりたかった、のか、君への依存心だった、のか。そんなのもうどうでもいい。


初めてした電話は死にたいって、君に初めて言ったときだった。君はたいそう驚いていた。
何を話したかなんて覚えていないけど、君は約束をしてくれたんだっけ。
でも、守れない約束は、ごめんね。できない。
多分これを読んでくれてるってことは、ちゃんと私が、汚い世界の中でも綺麗だった思い出の場所へ行けたって事だよね。
まだ、生きてるから、私まだ、綿あめみたいにふわふわした存在になってないから、もし君が良ければ助けてくれるかなぁ。