「陽菜ちゃん具合はどうかな?」

部屋に入るなりそこには翔がいたため、慌てるように翔にも挨拶をする矢嶋。

「あっ翔さん来ていたのね、いらっしゃい」

「千夏ちゃんこんにちは、おじゃましています」

「結局翔さんまでその呼び方で呼ぶようになっちゃったじゃない、仕方ないわね。そんな事より陽菜ちゃん幸せね、翔さんがこうやって退院した後も顔を出してくれて」

満面の笑みで応える陽菜。

「うん、すっごく嬉しい」

「そんな喜ぶことかぁ?」

「もちろんよ、だって本当にすっごく嬉しいもの」

「うれしいのは分かるけどあまりはしゃぎすぎないようにね」

そうくぎを刺したのは担当看護師の矢嶋であった。

「分かっているわよ、大丈夫だから心配しないで千夏ちゃん」

「お願いね、じゃあもう行くから何かあったらすぐナースコール押すのよ」

「分かっているって言っているでしょ、もういつも来るたびに言っているんだから」

「まあそう言うな陽菜、千夏ちゃんもお前の事心配してくれているんだから」

「それは分かるけどさぁ、心配してくれてありがたいと思っている、でもこう毎回同じこと言われるとなぁ?」