自宅マンションへと帰った亨は一息つく暇もなく女性マネージャーの武田に声をかける。

「武田さんコーヒーでも飲む？」

「じゃああたしが淹れるわ、良いから翔は休んでいて」

「良いよ武田さんは、ソファーにでも座ってて」

「あたしが淹れるわよ、あなたけが人なんだから」

「良いよ、これもリハビリの一環。何でも自分一人で出来るようにならないと」

「そう？　それじゃあお願い」

「分かった、インスタントで良いよね」

「何でも良いわ」

「じゃあちょっと待っていて、今お湯を沸かすから」

そうしてキッチンに向かった亨は電気ケトルに水を入れスイッチを入れると二人分のコーヒーを淹れる。

その後コーヒーを淹れ終えた亨はそのコーヒーを武田のもとに運んだ。

「はい、確か武田さんはブラックでしたよね」

「えぇ、ありがとう」

二人でコーヒーを飲み始めると、その後武田はコーヒーを飲みつつ亨にある事を尋ねる。

「あなた退院の前にも言っていたけどほんとに誰もいなくて大丈夫？　もう一度言うけど事務所の人間をサポートによこすことだってできるのよ。今のままでは身の回りのことをするのも大変じゃないの？」