数日後の午後、リハビリを終えた亨は陽菜のもとを訪れた。

「陽菜どうだ具合は、変わりないか?」

この時陽菜は亨に貰ったパソコンを開きキーボードをたたいていた。

「あっ亨兄ちゃんいらっしゃい、あたしは大丈夫よ、いたって元気」

その言葉に安心し笑顔を浮かべる亨。

「そうかそれならよかった。それより早速パソコンを使っていたんだな、小説書いていたのか? 陽菜言っていたものな」

「そうなの、書いてみたいテーマは前から決まっていたからね。でもうまく最後まで書けるか分からないわ」

「まあとにかく書いてみない事には始まらないからな?」

「確かにそうだね」

「じゃあどうしようか、邪魔しちゃいけないから今日の所は帰ろうか?」

「ううん良いの、あたしもちょうど休憩しようと思っていたところだから」

そう言うと同時に陽菜はノートパソコンのモニターをぱたんと閉じた。

「そうか? だったらいいけど……」

「それより亨兄ちゃんはリハビリどうだったの? 行って来たんでしょ」

「まぁまぁだ、まだ始めたばかりだからな? すぐに歩けるようにはならないよ」

「そうだよねぇ、明日も行くんでしょ? リハビリ頑張ってね」

「分かっているって」