「そうなんですか、出来る事なら僕が経済的に支援できればいいんですけど……」

「良いのよ亨君はそんなこと考えなくて、これはうちの問題なんだから」

「そうですか?」

「そうよ、ただでさえ亨君には良くしてもらったのにこれ以上迷惑かけられないわ」

「迷惑だなんて思わないでください」

「ありがとう、その気持ちだけで嬉しいわ。でもほんと気にしなくていいの」

「分かりました、とにかく今日の所は帰ります。明日また来ますね」

再びその場を後にしようと考えた亨であったが、肝心な事を思い出してもう一度車椅子を止めた。

「そう言えば大事な事を言い忘れていました。マネージャーに頼んでパソコンを持ってきてもらったので今度時間の空いた時にでも取りに来て頂けますか? すみません遅くなってしまって」

「なによすみませんだなんて、頂くのはこっちなんだからそんなの良いのに。でもほんとに頂いてしまって良いの?」

「良いんですって、言ったじゃないですか、どうせ余っているものだから遠慮しなくていいんですよ」

「そうだったわね。ありがとう亨君、近いうちに頂きにあがるわ」

「では待っていますので」

そうして亨は談話室を後にした。