「そうなの? 良かったじゃない陽菜」

「確かに良かったけどほんとに頂いてしまって良いのかな?」

「何言っているのよ、良いのよくれるって言ってるんだから」

「そうなのかなぁ?」

「それより今日も翔さんのとこ行くんでしょ、早く行こう」

ところがそんな由佳の言葉を聞いた陽菜は表情を曇らせ俯いてしまった。

「ごめんね今日は行けないんだぁ、ドクターストップかかっちゃった。あっ先生からじゃなくて千夏ちゃんからだからナースストップって言うのかな?」

「ナースストップかぁ、上手い事考えるね。でもどうしたの一体、どこか具合悪いの?」

「ちょっとね、今朝体温を測ったら少し熱があったのよ、それで今日は控えた方が良いって千夏ちゃんに言われちゃって」

「なんだそうならそうと早く言いなさいよ。そんな様子全然なかったから分からなかったわ、具合悪いならあたしも今日は帰るね」

「由佳はもう少し居て、まだ来たばかりじゃない。それに全然熱があるなんて感じないんだ、何故かすごい元気なの」

「何言っているのよ、熱があるなら陽菜は休んでいなきゃダメ。あたしの相手なんかしなくていいからゆっくり体を休ませなさい」 

それでも食い下がる陽菜。

「一人でいるのも退屈なの、もう少しここにいてよ」

「ダメよ熱があるんだから、あたしはもう帰るからゆっくり休んでなさい、また来るから。分かったわね」

陽菜は俯き残念そうに呟く。

「分かったわよ、また来てくれるの待っているからね」

「分かった近いうちにまた来るから、じゃあね」

そう言いながら由佳は病室を後にした。