「ああそれな、デジタルオーディオあげただろ? もし電池が無くなった時パソコンを持っていればパソコンから充電できるし曲を入れたい時にはパソコンからダウンロードできるんだけど、ずっと入院生活をしているって聞いたから持ってないと思って。ここは病院だからダウンロードは無理じゃないかっていうのは分かるんだけど電池が無くなる度に俺が代わりに充電してあげる訳にいかないだろ? その間陽菜は使えなくなるしな。だから病室のコンセントから充電できるように充電器も入っているから充電したいときはそれを使ってくれ」

「ありがとう亨兄ちゃん」

そんな時母親の陽子が不思議そうにたずねてきた。

「陽菜さっきはすぐにパソコンの話になってしまって聞けなかったけど一体どう言うことなの? どうして亨君がこんな物下さるのよ?」

疑問の表情で尋ねる陽子に対し説明をする陽菜。

「実はねママ、あたし翔の大ファンだったでしょ? この病院で初めて亨兄ちゃんに再会した時翔の正体が亨兄ちゃんだった事が分かったんだけど、あたしが翔の大ファンだった事を知った亨兄ちゃんがあたしに翔のCDを沢山くれたの」