「そんな買って頂かなくて結構よ、なんだか申し訳ないわ」

「いや良いんですよおばさん。プリンターと言っても最近は安いものなら五千円くらいで売っていますから」

「だったら余計遠慮するわ、そのくらいで買えるならうちで買いますから」

「良いんですって、僕に買わせてください」

「ありがとうね亨君」

陽菜は一つ気になっていたことを亨に尋ねる。

「でももしプリンターを病室に置くのがダメだったら?」

「その時はメモリーカードにデータを落としてくれ! そうしてくれればうちのプリンターで印刷してきてやる」

「そこまでしてくれなくて良いわよ、そんなに迷惑かけられないわ」

そう遠慮の声を発するのは陽菜であった。

「良いんだよ気にしなくて」

亨は更に続ける。

「何れにしてもとにかく何か書いてみたらどうだ? 何か書いてみない事には始まらないだろ、取り敢えずマネージャーに連絡してみるよ」

「うん、ありがとう亨兄ちゃん。そう言えばさっきパソコン持ってないか聞いたとき本当に聞きたかったのはなんだったの?」