「多分文章を書くだけだと思うから別に良いけど、それがどうしたの?」

「だったら俺が使っていたのをやるよ、最近新しいのを買ったばかりで余っているんだ。買い替えたと言ってもまだ三年くらいかな? 別に壊れた訳じゃないからまだ十分使えるぞ」

「ほんと亨兄ちゃん、頂けるなら何でもいいわ」

「ああほんとだ、だからわざわざ買う必要なんかないぞ! 今度マネージャーに言って持ってきてもらうから待ってろ、一応データだけは消させてくれな?」

「もちろん、ありがとう亨兄ちゃん」

「ただ小説を書くとなるとプリンターも必要になって来るだろ、それはどうするんだ?」

亨の言葉に思わず陽菜はハッとした。

(プリンターなんていらないと思うけどな、あたしは自分で書いていければそれだけで満足なんだし……)

その思いをストレートに告げる陽菜であったが、亨からはまさかの返事が返ってきた。

「プリンターなんていいわよ、パソコンがあれば十分。それにパソコンがあればそこから読めるわ」