「そうだったの? まさかあなたがそんなことを考えていたなんて思わなかったわ、なんか驚いちゃった。あなたがそんなことを考えていたなんてね」

「あたしなんかが小説なんて書いたらおかしいかな?」

「どうしてあたしなんかって思うの? 良いじゃないあなたが小説書いたって。全然おかしくなんかないわ、ママ応援するわ」

ところがその後俯いてしまった陽菜は小さな声で呟いた。

「でも良いよ、あきらめるわ。パソコンなんて安い買い物でもないんだし」

「どうして簡単にあきらめるの? 良いわ今度電気屋さんで買ってきてあげる」

それでも遠慮する陽菜。

「良いって言っているじゃない。ただでさえ入院費に沢山お金かかっているのにこれ以上迷惑かけられないわ」

「何言っているのよ、あなたはそんなこと考えなくて良いの」

そんな時、二人の会話を聞いていた亨がまさかの嬉しい提案をしてきた。

「なあ陽菜、そのパソコンて新品じゃなくてもいいか?」

亨の問いかけに応える陽菜であったが、その表情は疑問に満ちていた。