「この度は申し訳ありませんでした！」

「どうしたんです突然？」

亨が尋ねると更に続けるスタッフ。

「僕が大変なミスをしてしまったばかりに大事な翔さんにこんな大きなけがをさせてしまいました。ライブも中止になってしまいお詫びの言葉もありません！　謝って済む事ではないのは重々分かっていますが僕にはこれくらいの事しか出来ません。どうか許してください！」

その光景を目の当たりにした陽菜たちは突然の事に驚いてしまう。

翔と若いスタッフのやり取りを驚きの目で見ていた陽菜たちはその後の翔の言動に感心する事になる。

「待って、頭をあげて下さい。僕はあなたのミスに対しては怒っていませんよ。だからもう僕に対して謝らなくて良いんです」

「そう言うわけにいきません！　全ての原因は僕なんですから」

「だから良いんですってもう、幸い命にかかわるような大きな怪我ではないですしもういいですよ。あなたのミスに対して攻めるつもりはこれっぼっちもありません。人間だれにでもミスはあります、今回あなたにあったように僕にだってミスをする可能性は十分にあります」