「そうか、そこまでの覚悟があるならもう何も言わない。娘の手術は絶対に成功する、そしたら娘の事をよろしく頼むな?」

「ありがとうございます! 後日改めてご挨拶に伺いたいと思っています」

この時亨は陽菜の両親に深々と頭を下げていた。どの位の時間がたっただろうか、亨たちのもとに手術の終了を知らせる看護師がやって来た。

この時その看護師は家族とともにステージ衣装を身にまとった翔がいたため驚いてしまったが、努めて平静を保ち手術の終了を告げる。

「三枝さん無事に手術が終わりましたよ」

「そうですか、ありがとうございます」

「この後ICUで経過を見て、その後問題なければ一般病棟に移ります。まだ麻酔から覚めていませんがお嬢さんの顔を見ていかれますか?」

「はいよろしくお願いします」

「ではこちらへどうぞ」

三人は看護師の案内によりICUへと向かっていく。

「感染防止の為こちらで手を洗って頂いてマスクをした後、アルコール消毒をして頂いてよろしいですか?」

前室でそう促された三人はその指示に従い手を洗うと、その後マスクを付け念入りにアルコール消毒をする。