それは翌日の土曜日の事だった、伊藤弁護士事務所に五十嵐から電話がかかったのは。

「もしもし、そちら伊藤弁護士事務所でよろしいですか?」

この時最初に電話に出たのは事務員の女性であった。

『そうですが、どちら様でしょうか?』

「私五十嵐と言いますが弁護士の伊藤先生はいらっしゃいますでしょうか?」

『少々お待ちください』

「先生五十嵐様という方からお電話ですが」

「待っていたんだ、こっちへまわしてくれる?」

その指示により事務員は伊藤のデスクの電話へと回す。

『お待たせしました、伊藤です』

「先生あたし決めました。証言させていただきます」

『そうですか、良く決断して頂きました。ありがとうございます!』

「早速明日にでも警察に行こうと思うのですが」

『お願いします、私も一緒に行きましょうか?』

「いえ大丈夫です、ひとりで行けますから」

『そうですか? ではお願いします』