次に言葉を発したのは五十嵐であった。

「少し考えさせてください。あたしが証言したことで万が一仕返しがあると怖いので……」

「そうですか分かりました。強制ではないので納得のいくまで考えてください。ただあまり時間がかかると送検されてしまう可能性があるのを頭の片隅にでも入れておいてください」

「分かりました。ありがとうございます!」

「それと一つだけ覚えておいてほしいのは、あなたの証言一つで一人の青年の人生が変わってしまうかもしれないという事は分かっておいていただきたいという事です」

「確かにそうですね、分かりました」