「それがどうしたんです?」

「お前らの給料が増えたせいで俺たちの給料が減らされたんだよ! 減らされた分お前らが出せよな」

「お断りします。どうしてそんな事をしなきゃならないんですか」

「良いから出せば良いんだよ! お前ら外国人は日本で働かせてやっているんだから少ない給料で働いていればいいんだ、いいからつべこべ言わずに出せ」

「嫌です! 給料をもらうのは働いた人の正当な権利です。どうして外国人だからといって少ない給料で働かなければならないんですか」

「まだ言うか、いいから出せばいいんだよ!」

本田が激しい口調で怒鳴るように言うと、本田を含めた日本人社員たちが殴るけるの暴行を始めたがそれでもマイクたちは手を出すことはなかった。

「エリック手を出すなよ、一度でも手を出したらこっちが先に手を出したことになってしまう。分かったな」

この様子を彼ら以外の数名の日本人社員が目撃していたが、かかわりたくないために見て見ぬふりをしていた。

そのまま殴られ続けたマイクたちだが、ようやく暴行が終わったのもつかの間後ろから羽交い絞めにされた二人の荷物から給料が奪い去られてしまった。

「待て、それだけはとらないでくれ! 仕送りが出来なくなる」

マイクが叫ぶのも虚しく給料を奪った本田達はその場を立ち去っていった。